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【新連載】彼に振られたあの日から、もう何もかもが面倒で……

Story3 ★華やかな場所が嫌いでも

そして優子先輩の、結婚式の二次会。
わたしは青いワンピースに、
長めのパールのネックレスをつけ、
会場になったお店に向かった。

会計をする約束なので到着は開始時間の45分前。
専用の石造りの釜を持つ、ピッツアのお店だ。
すると会場には、塚本成順さんという、
新郎側の会計を任された男性も来ていた。

「こんにちは、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
やせて少し背が高く、笑うとやさしそうなその人は、
わたしに苦手意識を感じさせない、
不思議にやわらかい雰囲気を持っていた。

「新郎側の友人が6人で、新婦側が5人ですね」
わたしたちは、人数とそれぞれの名前の確認、
ポツポツと集まった二次会の出席者から、
会が始まる前に、参加費を徴収した。

そして二次会は始まった。
にぎやかなところは苦手だけれど、
ゲームが始まれば、そこそこは楽しい。
わたしはひさしぶりに、
心から笑っていたことに気がついた。

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