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「頼りにしてます」は目上の人にも使える? 丁寧な言い換え表現や類語を解説

にほんご倶楽部

ビジネスシーンで「頼りにしてます」というフレーズを使ったことはありますか? この言葉は、上司や先輩など目上の相手に対してそのまま使用しても問題ないのでしょうか? 今回は、「頼りにしてます」の意味や丁寧な言い換え表現・類語について解説します。

相手の存在が心強いと感じた時、ふいに口から出るのが「頼りにしてます」というフレーズ。上司へ伝えることに加え、部下や同僚から言われたことがある人もいるかもしれません。

協力し合ってビジネスを進めていく上で有効なフレーズですが、果たして正しい使い方ができているでしょうか。間違った言葉遣いは、失礼になってしまう可能性もあるため注意が必要です。

今回は、「頼りにしてます」はどんな時に用いるのがふさわしいのか、また丁寧な言い換え表現や類語について解説します。

「頼りにしてます」の意味とは? どういう時に使う?

「頼りにしてます」は、元々「頼りにする」という言葉から派生したフレーズです。改めてその意味を見ていきましょう。

頼りにする

助けてくれる、望みをかなえてくれると期待するさま。頼る、恃みにする、などとも言う。

(出典:『実用日本語表現辞典』)

つまり、「頼りにしてます」は、相手に信頼している気持ちを示したい時に用いるフレーズです。

例えば、経験したことのない仕事に挑戦するにあたり、周囲からアドバイスをもらうこともあるでしょう。また、自分が指揮を執るプロジェクトチームに、信頼できる人がサポート役として参加してくれる時もあるかもしれません。

そんな場面で、「○○さんを頼りにしてます」と一言伝えてみてください。正しい使い方をすれば、ビジネス上でうまく立ち回るための心強いフレーズになるはずです。

「頼りにしてます」は目上の人にも使える? 丁寧な言い換え表現

相手へ感謝や心強い気持ちを伝えるのにぴったりな「頼りにしてます」ですが、上司など目上の人に使う際は「頼りにしております」という言い回しにするのが好適です。

「います」と比べるとたった2文字の違いですが、「おります」は自分の立場を下げられる謙譲語を用いた敬語表現。そのため、上司や取引先の人など、相手を立てたい時に適した言い回しといえます。

「頼りにさせていただきます」と言い換える時は注意が必要

「頼りにしてます」の丁寧な表現として、「頼りにさせていただきます」を使用している人もいるかもしれませんが、このフレーズを用いる際は注意が必要。

なぜなら、「させていただく」を使うには、「相手の許可を得ていること」と「恩恵を受ける事実・気持ちがあること」という2つの条件を満たさなければならないからです。

例えば、「頼らせてください」とこちらから依頼して、それに対する相手の了承を得た上で「頼らせていただきます」と述べるのは問題ないといえます。

しかし、そのような前置きがなく、一種のコミュニケーションとして用いる場合は、特に相手の許可が必要なものではないため、「させていただく」を付ける必要はないでしょう。

判断に迷う時は、先ほど紹介した「頼りにしております」を使うのがおすすめです。

「頼りにしてます」の類語

「頼りにしてます」は、相手に信頼を寄せていることを伝えられるビジネスフレーズです。

しかし、定型文のように毎回使用すると、「本当にそう思っているのだろうか」と疑念を抱かれてしまうかもしれません。

そこで、「頼りにしています」の代わりに使える類語を紹介します。

(1)「心強いです」

相手の存在が心の支えになっているのであれば、「心強いです」と言い換えてみてはいかがでしょうか

「心強い」は、頼りになるものがあり、安心できることを示す表現です。使用できるシーンは、「頼りにしてます」とほとんど変わりません。

例えば、同じプロジェクトを担当することになった相手に対して、「○○さんがいると心強いです」という形で使用すると良いでしょう。

(2)「助かっています」

同僚や後輩に感謝を伝える時は、「助かっています」が有効です。信頼感を示すと同時に、「力を貸してくれて、いつもありがとう」という意味を含めることができます。

相手に感謝や労いの気持ちを伝えられるフレーズですが、覚えておきたいのは目上の人に対して述べるのはふさわしくないということ。社内の上司はもちろん、大切な取引先への使用も控えましょう。

(3)「尊敬しています」

尊敬の念を示したい時は、ストレートに「尊敬しています」と言い換えるのも手です。「尊敬」とは、相手の人格や行い、業績などを優れていると認め、その人を敬うことを意味します。

頼りにしているという事実をまっすぐに表現できる言い回しですが、軽々しく口にするのは好ましくありません。誰にでも乱用するのではなく、本当に尊敬できると感じる相手にのみ使用することをおすすめします

「頼りにしてます」は信頼関係の構築に役立つ言葉

相手への信頼感を示せる「頼りにしてます」というフレーズ。丁寧な表現にすれば、上司など目上の人にも使える言い回しになります。

また、「心強いです」「助かっています」など、相手や心情に応じて他の言葉に言い換えることで、自分の気持ちを上手に表すことができるでしょう。

周囲との信頼関係を構築し、仕事をスムーズに進めるためにも、適切な言葉選びを心掛けてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年11月15日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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