「ナラティブ」とは? 意味や活用例を分かりやすく解説
ナラティブアプローチとは何か
ナラティブアプローチとは、相談者自身が語る物語を出発点として問題を解決するきっかけを見出す手法です。
たとえ相談者の話に偏りがあったとしても、本人にとっての真実の物語として対話を重ねていき、新たなストーリーを再構築していくことがポイントです。
まだ研究途中のアプローチであり、確立した定義や方法論はない状況ですが、医療や臨床心理、キャリアコンサルティングなど、さまざまな人的支援の場で活用されつつあります。
ナラティブアプローチの活用例
ナラティブアプローチの活用例には以下のようなものがあります。
(1)医療・看護の現場
「ナラティブ・ベースド・メディシン(NBM)」といって、患者の病の経験や病状の捉え方を医療者が聞くことで、患者1人ひとりに合わせた治療を行う取り組みがあります。
(2)ビジネスシーン
職場で感じる「周りの人と分かり合えない」「息苦しい」「やりたいことができない」といった課題を解決するために、現場にナラティブアプローチを取り入れるのも有効です。
(3)臨床心理の現場
臨床心理の現場では、クライアント(相談者)が自分自身について語ることで過去に新しい意味をつけ、問題を乗り越える心理療法(ナラティブセラピー)が取り入れられています。