「ナラティブ」とは? 意味や活用例を分かりやすく解説
ナラティブアプローチのやり方
ナラティブアプローチを普段のコミュニケーションに取り入れることで、一方通行ではないやりとりができるようになります。
では、ナラティブアプローチは具体的にどのように行うのでしょうか。方法を解説していきます。
(1)語り手の物語を聞く
語り手自身の話を最後まで聞くことが最初のステップです。
思考の偏りやネガティブな思い込みが含まれていることもありますが、語り手が現状をどう解釈しているかが分かります。
理解できない箇所があっても否定しないで、「なぜこの人はこのように捉えるのだろう?」と理由に興味を持つことが非常に重要です。
(2)問題を外在化する
悩みを抱えている時は、「自分が悪い」というように、問題と自分をイコールだと捉えてしまうことが多いです。
すると自分を否定して悩みが深くなってしまうので、自分と問題を切り離して(=外在化)、問題を客観的に捉えられるようにします。
問題に名前をつけるなどして、自分と問題との間に距離をつくることができると、心に余裕が生まれ、別の見方ができるようになるのです。
(3)反省的な質問をする
問題が生まれている原因を、語り手自身の過去が関係していないか、考え方に偏りがないか、相手の立場に立ったら物事がどのように見えるのかなど、さまざまな角度から掘り下げていきます。
このような問い掛けをすることで、語り手は複数の視点を手に入れることができます。
(4)例外的な物語を見つける
問い掛けを続けていくと、当初の物語とは違って、ポジティブなストーリーが見つかることがあります。
例えば、迷惑を掛けたくないから人には頼れないと思い込んでいたのに、ある時親身になって助けてくれた人は全然迷惑そうではなかったなどのケースです。
例外的な話をさらに語ってもらうことで、物語を強化していきます。
(5)オルタナティブストーリーを構築する
例外的な物語を基に、建設的なストーリーを新しく構築していきます。当初語られた内容とは違う、新たな気づきが加わったストーリーになります。
語り手自身が言語化していくことで納得できる物語になるのです。
対等のコミュニケーションを
さまざまな体験を通して形づくられる体験者自身の物語をナラティブと言います。
ビジネスや恋愛がうまくいくためには、一方通行のコミュニケーションではなく、対等のコミュニケーションがポイントとなります。
相手が主体の物語を理解することで、関係性が円滑になるはずです。ナラティブの概念を上手に活用していきたいですね。
(高見綾)
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※この記事は2021年06月30日に公開されたものです