厳しい冬に早春を象徴するように咲く梅の花。日本でも『万葉集』に何度も登場するなど、古くから愛されている花の1つです。
気高い香りが漂う梅の花言葉は、「澄んだ心」や「忠義」「潔白」「高潔」など、その凛とした美しいイメージから得たものが多くあります。
ただ、色によって花言葉が持つ意味も違っているんです。
今回は、そんな梅の花について、色ごとに意味や由来をひも解いていきます。
■梅ってどんな花?
慶事・吉祥のシンボルとして松竹梅が使われてきたこともあり、梅は縁起の良い植物とされ、日本人に親しまれてきました。
また、昔から災難を払う力があるとされており、家の鬼門に梅を植えて厄よけをする習慣もあります。そのため、自宅に梅を植えていたという人も多いのではないでしょうか?
◇中国から伝来し『万葉集』でも数多く詠まれてきた
梅の花の原産地は中国。
日本への伝来時期には諸説ありますが、遣隋使の時代にやって来たのでは、とされています。
中国では、松や竹と共に、冬の寒さに耐える3種類の植物として「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼ばれています。日本の「松竹梅」と通じるものがありますね。
『万葉集』には梅を詠んだ歌が118首もあり、この数はハギの花に次いで2番目に多いそうです。
◇別名は「木の花」「春告草」
冬から春のイメージを持つ方も多いと思いますが、開花期は1~3月となっており、花持ちは3~7日程度。
別名は、「木の花(コノハナ)」「春告草(ハルツゲクサ)」「好文木(コウブンボク)」など、春を告げる植物らしい名があります。
平安時代の書物には「ムメ」と表記されていたようです。
■色・種類別にひも解く梅の花言葉
梅の花は、赤、ピンク、白などの色があります。
ここでは、赤やピンクを紅梅、白いものを白梅として、それぞれの花言葉を紹介します。
■紅梅は「あでやか」「忠実」
何といっても紅梅の持ち味は、あでやかさ。清少納言も『枕草子』の「木の花は」で、紅梅の見事さについて書いています。
『万葉集』に登場する回数の多さからも、人々にもとても愛されていたのが分かります。
また「忠実」の花言葉は、菅原道真が福岡県・太宰府天満宮に左遷された時、庭にあった梅の木が、道真を思うあまりに一夜にして京都から太宰府まで飛んで行ったという有名な「飛び梅」伝説からきています。
◇紅梅は転勤・転職する上司に贈るのもおすすめ
「忠実」という花言葉があるので、尊敬する上司が転勤してしまう、転職してしまう時に贈るといいかもしれません。
渡す時に飛び梅伝説も話してみると、離れても心は付いて行きますという気持ちが伝わるのではないでしょうか。
梅と他の花を組み合わせて贈りたいなら、「崇高」や「優秀」の花言葉を持つコットンツリーや、「祝福」「慈愛」などの花言葉を持つハボタンはどうでしょう? 梅の紅色も一層映えそうです。
■白梅は「気品」「上品」
あでやかな紅色と対照的な美しさのある白梅。
「気品」や「上品」などの花言葉は、厳寒の中で咲く花の凛とした姿をイメージしたものだといわれています。
◇お世話になっている人に白梅を贈るのもおすすめ
一番に春を告げる花でありながら、凛とした美しさを表す花言葉を持つ白梅。
いつも上品なたたずまいの人に、普段お世話になっているお礼で贈るのも良いでしょう。
白梅なら、同じ冬の植物で「富貴」「恵まれた才能」などの花言葉を持つセンリョウや、「福を成す」「良い家庭」などの花言葉を持つナンテンと花束にすると、赤と白で美しく決まりそうですね。
■梅の花言葉に怖い意味はない
梅の花言葉に怖い意味はありません。
怖い意味があるといわれる理由は、^開花時期が別れの季節に重なるため、悪い意味合いがあるように思われる^からかもしれません。
■お祝いにもぴったりの縁起の良い花
花の種類が少ない冬の季節に、凛と美しい上品な花を咲かせ、春の気配を感じさせてくれる梅。
縁起が良く、厄よけの役割も担う花なので、ぜひ新年のあいさつやお別れのシーンで大切な人に贈ってみてはどうでしょうか。
■シチュエーションに合わせた花言葉もチェック!
(さかもとみき)
※画像はイメージです