「各位」の意味と正しい使い方を解説! 「各位様」は間違い?
「各位」と混同しやすい言葉
「各位」と同じように、ビジネスで使う敬称は他にもたくさんあります。
そのため、どれをどのような時に使えば良いのか分からず、困惑してしまうこともあるでしょう。
そこで、「各位」と間違えて使ってしまいやすい言葉を、3つ紹介します。併せて使い方や意味を覚えておきましょう。
御中
「御中」は、企業や施設など、個人ではなく団体の宛名に添える敬称。「御中」の「中」は集団の中の人という意味があり、それに「御」をつけて丁寧に表現した言葉です。
「○○御中」というように会社名、団体名の後につけて使います。「各位」も同じように「○○各位」と後につけて使用するため、混同してしまいがち。
どちらも宛名が複数人の時に使う敬称ですが、団体全体を宛名とする場合は、「御中」を、組織内の一部の人を指定する場合は「各位」を用いましょう。
ちなみに「御中」を使う際も、「○○様御中」と「様」をつけるのは間違った使い方です。注意しましょう。
それでは、「御中」を使った例文を紹介していきます。
例文
・株式会社 〇〇 御中
・株式会社 〇〇 営業部 御中
・株式会社 〇〇 企画部 広報課 御中
皆様
「各位」とは「皆様」を意味する単語。そのため、「各位」は「皆様」への置き換えが可能です。
「皆様」の方が柔らかく、ややくだけた表現になります。
かしこまった場面で使っても問題ありませんが、よりきちんとした印象を与えたいビジネスでのメールや文書は「各位」が適しているでしょう。
それでは、「皆様」を使った例文を紹介します。
例文
・経理部の皆様へ
・皆様のご理解とご協力賜りますようお願い申し上げます。
・〇〇課の皆様にもどうぞよろしくお伝えくださいませ。
様
「様」も「各位」と同様、相手への敬意を示す敬称。ビジネスに限らず、さまざまなシーンで使われるかしこまった表現です。
相手が複数人の場合は「各位」を使いますが、1人の場合は「様」を使用します。
ただし役職の後につけるのは間違った使い方です。「社長様」「部長様」とは書かず、宛名は役職のみ名前のみを書くか、「部長○○様」と書きましょう。
例文
・株式会社○○ 鈴木様
・株式会社○○ 営業部 佐藤様
・株式会社○○ 営業部長 田中様
「各位」を正しく使いこなせるようになろう
日本語にはたくさんの丁寧語があり、ふとした時に使い方を忘れてしまうことがありますよね。学校では習わず、自分で調べなくてはならない表現も中にはあるので、知らない言葉遣いもまだまだ多いでしょう。
「各位」は、社内メールや取引先への書類を送る時など、ビジネスシーンで頻繁に登場する敬称なので、覚えておいて損はありません。
大勢に向けて使うため、間違った使い方をしてしまうとたくさんの人にミスを見られてしまいます。
ぜひ正しい使い方をマスターし、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない言葉遣いを身につけましょう。
(上色ゆるり)
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※この記事は2021年06月23日に公開されたものです