【心理学】正常性バイアスとは? 及ぼす影響や対策を紹介
正常性バイアスの具体例
心の平穏を保つためには必要な正常性バイアスですが、中には注意しなければいけないケースもあります。
それは、本当に危険な状況なのにもかかわらず「大丈夫だ」と思い込んでしまうケースです。
本来なら「異常事態だ!」と判断しなければいけない状況で正常性バイアスが機能してしまうと、自分や周りにいる人たちの身を危険にさらす恐れがあります。
災害における正常性バイアスの例
過去の火災や震災時には、正常性バイアスが働いたと思われるケースがありました。
例えば、韓国で起こった地下鉄の放火事件。本来なら自ら進んで避難しなければいけないほど危険な状況にもかかわらず、アナウンスに従いその場でじっと待っている人、まるで人ごとかのように携帯を見ている人などが大勢いたといいます。
また、災害時によく耳にするのが「まさかこんなことになるとは思わなかった」という言葉。東日本大震災が起こった際にも「まさかここまで津波が来るとは思わなかった」という言葉をよく耳にしました。
これらは、まさに正常性バイアスが働いた証拠ともいえるでしょう。
また、コロナ禍における私たちの心理にも正常性バイアスは関係しています。
毎日コロナの話題に触れていることで緊急性を感じなくなったり、「私は丈夫だから感染しない」や「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」などと思ったりするのは、正常性バイアスが原因かもしれません。
正常性バイアスに注意すべきシーン
他にも、こんなシーンでの正常性バイアスには注意が必要です。
・うまい話が舞い込んできた時
・自分と周りの感じ方にギャップがある時
・お金を貸してほしいと言われた時
これらのシーンでは、慎重かつ客観的に判断しなければ後悔することになるかもしれません。特に注意が必要なのは、自分では違和感を抱いているのに周りが大丈夫だと言っている時です。
実は、私たちには「同調」という心理も備わっています。
同調とは「周りの人と同じ行動をしたい」と思う心理のこと。なぜ同調したくなるのかというと、「その方が安全だ(間違いがない)」と思うからです。
例えば、買い物をする時に「ヒット商品」や「売れ筋」といったキャッチコピーのついた商品が気になったことはありませんか?
実は、これも同調心理の一種。「売れている=良い商品なのだろう」と思うため、私たちは安心して購入するのです。