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【例文あり】「ご一考」の正しい意味と使い方。「ご検討」との違いとは

大部美知子

「ご検討」「ご思案」など類語との違い

「ご一考」と似た意味として使われやすい言葉に「ご検討」「ご思案」「ご考慮」「ご勘案」があります。最後に、それぞれの意味と「ご一考」との違いについて解説します。

ご検討

「ご検討」(ごけんとう)とは、「詳しく調べ考える」という意味の「検討」に、尊敬を表す接頭語の「ご」を付けた言葉です。「ご一考」は「もう一度考える」という意味ですが、「ご検討」は「詳しく調べて考える」という意味になります。

例文

「前向きにご検討いただきまして、ありがとうございます」

「この度は、弊社の商品をご検討いただきありがとうございます」

ご思案

「ご思案」(ごしあん)は、「思いを巡らす」「考察する」という意味の「思案」に、尊敬を表す接頭語の「ご」をプラスした言葉です。

「どうしたものか」と思い悩むのが「思案」の特徴ですので、ビジネスでの「ご思案」という表現は「いろいろ思いを巡らせて最善である方法を考える」というニュアンスを含みます。

「ご一考」が「一度良く考える」という意味に対して、「ご思案」には「どうするのがベストであるかを思い悩む」という内省的なニュアンスの違いがあります。

重大な案件で「考えてもらう」や「判断を仰ぐ」ような場面に適している表現ともいえます。

例文

「どちらのプランが最善か、ご思案くださいますよう、よろしくお願いいたします」

「この度は、ご多用の中、この案件についてご思案くださいましてありがとうございました」

ご考慮

「ご考慮」(ごこうりょ)は、「深く考えを巡らせる」という意味の「考慮」に、尊敬を表す接頭語の「ご」を付けた言葉です。「ご一考」よりも広い視点から物事について考えるというニュアンスを含みます。

例文

「勝手なお願いではございますが、ご考慮いただければ幸いでございます」

「こちらの事情をご考慮くださいましたことに、お礼を申し上げます」

ご勘案

「ご勘案」(ごかんあん)は、単純に考えるだけでなく、複数の意見や物事などのあれこれを考え合わせるという意味です。その上で総合的に判断するというニュアンスが含まれています。

「ご一考」とは違い、もともと官公庁や企業が発表する公的文書などで使われることが多いため、主に改まった場面で使われます。

例文

「諸条件をご勘案の上、今月末までにご回答をお願いいたします」

「こちらの事情をご勘案くださいましたことに、お礼を申し上げます」

「次回の打ち合わせまでにご勘案いただけると幸いでございます」

実際に使ってみよう

「ご一考」という言葉の意味や使い方、類語まで理解すると、いろいろな場面で利用できそうですね。

実際に使ってみることで、「知っている」から「使える」レベルに高めることができます。自分の職場でどのように用いることができるか、ぜひご一考ください。

(大部美知子)

※画像はイメージです

※この記事は2021年04月27日に公開されたものです

大部美知子 (ビジネスファシリテーター)

株式会社M‘sコミュニケーション代表取締役。ビジネスファシリテーター。東京女子大学短期大学部卒業後、日本航空株式会社入社。13年勤めた後、JALアカデミー株式会社にて16年、企業向けの接遇指導や、新人からリーダーまで、幅広い層のビジネスコミュニケーション指導に従事する。 2004年12月に独立。企業研修は、「受けるとかならず結果が出る」と定評がある。著書に『気持ちをうまく伝える技術』『ゼロから教えて電話対応』『ゼロから教えて新人教育』『世界で通用する 一流のビジネスマナー』(共にかんき出版)など。

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