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ハラスメントかも? 過去の失言で「一番後悔していること」

#犬さやの遠吠えやってまーす!

犬山紙子

エッセイスト・TVコメンテーターとして活躍する犬山紙子さんが、恋愛・人間関係・趣味などあらゆるテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にし、音声と共にお届けします。今回は2021年2月12日放送分から。

『犬山の遠吠え!やってまーす』今回の番組トーク音声はこちら

こんばんは、犬山紙子です。

今回もリスナーさんからのお便りを紹介していきます。

犬山さん、こんばんは。

先日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会代表の森さんの発言がかなり話題になりましたね。ワイドショーでも散々言われていますが、あの人は何なのでしょうか? コロナ禍の中、オリンピックという明るい話題を提供すべきトップの方がああいう表現をすると、男とか女とか関係なく残念な気持ちしかありません。

しかし、失言とは誰もが友達や同僚にしてしまうことではあります。謝り方が大事なのかもしれません。犬山さんは過去に「これは言わなきゃよかった」「言って失敗した」という発言はありますか?

ありがとうございます。大事なメッセージですね。

失言したこと、ありますよ! 最大限気をつけますが、今だってする可能性はあるんですよね。過去無意識に人を差別するような発言をしてしまったことも……。

オシャレを強制する“オシャハラ”発言

私が過去にした失言で後悔しているのが、あんまりオシャレに興味のない女友達に服をプレゼントして「絶対似合う〜!」「この服にはこのアイテム合わせて〜!」「髪の毛ちゃんと結ばないとあかんで〜!」みたいな、おせっかいな“オシャハラ”発言。

3年後「私がやってたこと、めっちゃあかんやん!」って気付いて、メールで「あの時は本当にすいませんでした」って当人に謝りました。

謝るのは時間が経てば経つほど勇気がいるから、すぐ謝った方がいいですよね。

メールされた方も「今さらこんなん言われても別に……」という感じだと思うんですけど、許されたいから謝るというより、謝っておかないと私人間としてどうなん? と思って謝りました。

森会長の“女性蔑視”発言。最大の問題点は?

森さんの発言もそうなんですけど、「不愉快な思いをされた皆様にはお詫びを申し上げたい」系の謝り方は、ちゃうねん!!!! っていつも思います。

失言をした時にそういう謝り方をされる方って多いじゃないですか。でも、問題の本質って全然そこじゃないんですよね。不愉快な思いをしたことに怒っているんじゃなくて、もっと本質の部分。

例えば今回の森さんの発言にあった「会議に女性がたくさん参加することで発言量が増えて時間がかかる」って、無根拠ですよね。

その上「女性は(男性より)競争意識が強いから」という発言も、せっかく日本の男女平等が動き出しているところに冷や水をかけてしまう。

しかも森さんのような影響力が絶大な方が言うことで、それを聞いた権力のある方々が「じゃあ女性を会議に入れるのやめようか」という差別的な方針を打ち出すかもしれない。

今回の発言を批判している方々は、不愉快だからとかじゃなく、そこから差別が生まれることを懸念して声を上げているんです。

それに、今後同じようなことが起こらないよう具体的な再発防止策を出すなどの姿勢が必要で。

男性も女性も「差別について話し合える」社会に

でも、一つうれしいなと思ったこともあります。

今まで、あらゆる差別に対して声を上げる人って「面倒くさい」「ヒステリック」というレッテルを貼られることが多かったんです。だから会社の中で「この発言おかしいな」と思っても言えない子がたくさんいたはずで。

だけど今回は、女性も男性もみんな一緒に怒っていたんですよね。

もちろんオリンピックが絡んでいるから問題視されやすいのはあると思います。だけど、こんなにちゃんと差別についてみんなで話し合えるんだ、といううれしい気付きがありました。

こういった問題を次の世代には持ち越さないようにしたいですね。

ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』最新のトークはこちら

毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送する他、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。

(トーク:犬山紙子、文:高橋千里)

※この記事は2021年03月20日に公開されたものです

犬山紙子

1981年生まれ。エッセイスト。美人なのになぜか恋愛が上手くいかない女性たちのエピソードを綴ったイラストエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)で作家デビュー、女性観察の名手として注目を浴びる。SPA!やananなどで連載中。「スッキリ!」、「みんなのニュース」などコメンテーターとしても活躍する。

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