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話を盛る人の心理と理由。話を盛る癖の対処法とは

ヨダエリ(コラムニスト)

「あーあ、また話を盛ってしまった……」。そんなふうに、言ってしまった後に後悔することはありませんか? 今回はコラムニストのヨダエリさんに、人が話を盛る理由や盛らずに話すコツを教えてもらいました。

「話を盛る」。こう聞いた時、皆さんの頭には何が浮かびますか?

「たまにやっちゃうかも……」と思う人もいれば、「いるよね」と具体的な人物を思い浮かべる人もいるでしょう。

さらに、「やめてほしい」と思う人もいれば、「時には必要」と思う人もいるでしょう。

つまり、絶対にダメとはいえないけれど、場合によっては周りの人をモヤモヤさせ、結果自分をもモヤモヤさせる。「話を盛る」とはそんな行為かもしれません。

では、一体なぜ話を盛ってしまうのでしょう? そして、どうすれば盛るのをやめられる? 改めて、「話を盛る」という行為について掘り下げていこうと思います。

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「話を盛る」とは?

「話を盛る」とは、内容を大げさに誇張して伝えること。

例えば、数を上乗せしたり、エピソードに創作を加えたりするのが、よくある手法かもしれません。

統計データがないので推測ではありますが、何らかの形で盛ったことがある人は、結構多いのではないでしょうか。

というのも、私が思うに、本人に悪気がなくむしろ良かれと思って「話を盛る」ケースは少なくないからです。

【話を盛る理由1】会話を盛り上げたいから

ここからは、話を盛る理由について考えていきましょう。

悪気なく話を盛る時の話題は、盛ったところで本気にされにくい、あるいは本気にされたところで問題が生じるわけではない、というような話題が多いと思います。

例えば、

牛丼に紅ショウガをどのくらいのせるかの話になり、「テイクアウトなら20袋はもらって帰るよ」と語る。

あるいは、飲み会に参加した時に、男友達について「この人、バレンタインデーは、下駄箱から落ちてくるチョコに埋もれてたからね!」と語る。

……実際は、持ち帰る紅ショウガが5袋でも、下駄箱に入っていたチョコが数個でも、こんなふうに盛ってしまう人は少なくないかもしれません。

ただ、これらは、話を盛るケースの中では、罪がないもしくは罪になりにくいケースといえそうです。なぜなら、盛ったところで誰かに不都合を生じさせる可能性が低く、盛っていたのがばれたところで誰かが被害を受ける可能性が低いからです。

むしろ、このように盛ることで、会話が盛り上がることは多いですよね。悪気なく話を盛る人は、意識的であれ無意識であれ、そうなることを期待しているはず。

つまり、人を笑わせたい、楽しませたいというサービス精神が旺盛だからこそ、話を盛ってしまうわけです。

周りも、「この人はそういう人だからな」と分かっていて、面白い人だと感じている場合、問題は生じにくいでしょう。ある意味、話を盛るのはエンターテイメントだと、本人も周りも分かっているのです。

【話を盛る理由2】自分の欲求を優先しているから

一方で、話を盛ることで問題が生じるケースもあります。

例えば、合コンで隣にいる女友達について「この子、魔性の女だからね~。今彼と元彼が家の前で鉢合わせとか、しょっちゅうだからね!」と楽しげに話してしまったら。

その場を盛り上げたいというサービス精神からだとしても、その女友達に本気で憤慨され、場合によっては距離を置かれてしまう可能性もあるでしょう。

「鉢合わせしたのは1回だけだし、別に魔性の女じゃないし、本気で長く付き合える人を探しに来てるのに、なんで邪魔するようなことを言うの?」と。

つまり、たとえ場を盛り上げるためであっても、自分ではなく他人について盛る場合、内容や言い方によっては、人間関係に亀裂をもたらしかねないのです。

また、自分の話であっても、聞いた人がその話を信じて、その上で何らかのアクションを取る可能性がある場合もまた危険です。

分かりやすい例としては、転職の面接などで、業務経験を盛ること。いくら受かりたいからといって、実際にその仕事に就いてから、「あれ、聞いていたことと違う」と思われてしまったら、「この人は実際よりも自分を良く見せようとする人なんだな」と、むしろ評価が下がってしまいます。

これらの盛り方に共通しているのは、相手の都合を考えていないこと。

「友達を嫌な気持ちにさせるかも」「職場の人は予定通りに仕事が進まなくなり困るかも」と想像していない。あるいは、想像していても、自分の欲求の方を優先させてしまっているわけです。

話を盛らないためには?

前述したように、話を盛る人には、悪気がないことも多いです。それだけに、実は誰かを不快にさせてしまっていると気付いた時、ショックを受けるかもしれません。

元々悪気がないのに、そして周りの人と仲良くやっていきたいのに、話を盛ることで誰かを不快にさせ、その結果自分をも傷つけてしまうなんて、あまりに悲しいですよね。

でも逆にいうと、盛るのをやめたら、今よりも人間関係が平和になる可能性がとても高いといえるのです。

そこでここからは、話を盛らずにコミュニケーションを取るために、どうすればいいかを考えていきましょう。

(1)「うそをつくのはダメ」と心に刻む

話を盛るのをやめるために、まず、こう考えてみてください。「話を盛っても結局ばれる」と。

例えば、職務経歴などを盛った場合、「できないこともこれから頑張ればいいじゃん!」と思うかもしれませんが、そうしている間に「あ、盛ったな」と大抵ばれます。全員にではなくても、鋭い人からはばれます。その結果、信用を失いかねません。

私事で恐縮なのですが、大昔、尊敬している先輩ライターさんからこんなことを言われました。

「できないことをできないと言えるから、ダヨリンは信頼される」と。

その時は、あまりピンと来なかったのですが、今ではその意味が分かります。

フリーランスの場合、依頼された仕事に自信がなくても「できる」と言うなど、能力を盛る人が少なくないのでしょう。その結果、誰かしらに迷惑をかけるケースなどを、先輩は見てきたのかもしれません。

ただ私の場合は、「盛らなさすぎ」が逆に問題かも、と感じている部分もあります。ある意味、盛ることは「意欲表明」とみなされる面もあるので。

なので、「盛る=悪」とは捉えずに、「盛りたい気持ちは◎。ただ、うそをつくのはダメ」と心に刻んでおくのがいいのかもしれません(私もそうします!)。

(2)人と話す上でのルールを決めておく

プライベートで盛ってしまう場合も、同じことが言えると思います。「盛り上げようとする気持ち自体は悪ではない。けれど、うそは良くない」と。

人と話していて楽しくなってくると、つい口がすべっちゃって……というパターンが多い人は、「人の話は盛らない」「自分を盛る時も笑い話に限定する」などのルールを決めてみてはどうでしょう?

忘れてしまう人は、手帳やスマホにメモしておいて、人と会う前にはそれを見返すといいですね。

(3)「盛らずに面白く話す人」から学ぶ

あと、「話を盛ったりしないのに、一緒にいると楽しい」と感じる人がいたら、その人のコミュニケーションの取り方を観察するのもいいと思います。

たぶん、人の話をちゃんと聞く、相づちを打つ、相手の意見を否定しない(相手の意見を認めた上で自分の意見を加える)、悪口を言わない、よく笑う、など気付く点がいろいろあるはずです。

少しずつ練習してみよう!

もちろん、今回紹介したことをいっぺんに身に付ける必要はないです。1つずつ身に付けていきましょう。

そもそも、「盛らずに話せるようになろう!」と思った時点で、あなたはもう以前のあなたではないのです。きっと、あなたなら話を盛らなくても大丈夫な自分に変わっていけると思いますよ!

(ヨダエリ)

※画像はイメージです

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※この記事は2021年01月18日に公開されたものです

ヨダエリ(コラムニスト) (コラムニスト)

コラムニスト/恋愛アナリスト。慶應義塾大学文学部卒業後、PR会社勤務を経てフリーに。思春期はドイツ在住。メトロセクシャルについて分析したコラムが『AERA』『anan』など多数の媒体で話題になると同時に、携帯サイトで連載していた恋愛相談コラムが口コミで人気に。現在は新聞・雑誌・ウェブでライフスタイルやトレンド、男女の心理にまつわる記事を執筆するかたわら、エキサイトお悩み相談室で電話相談も実施。著書に「その恋、今のままではもったいない!」(情報センター出版局)「今度こそ『信じられる人』と恋愛する本」(すばる舎)など。

●ブログ「cafe dayorin」
https://ameblo.jp/dayorin/

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