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「ご相談させてください」は敬語として正しい? 使い方を解説(例文つき)

大部美知子

「ご相談させてください」の言い換え表現

最後に、「ご相談させてください」というニュアンスを言い換えると、下記のような表現があります。それぞれ状況に合わせて使い分けてください。

どの表現も「ご相談させてください」よりも一般的な言葉を使った表現ですが、謙譲語を使った表現もありますので、職場で幅広く応用できるでしょう。

(1)「お聞きしたいことがあるのですが」

相談という言葉でなく、「お聞きしたいことがある」と言い換えた表現です。

「相談」というと、深刻な話をされるのではないか、責任が伴う問題ではないかと先入観が入り、相手がためらうことも考えられます。

「お聞きしたいことがあるのですが」と話を切り出した方が、相手もプレッシャーを感じずに話を聞いてもらえる状況がつくれるでしょう。

「お聞きしたい」は「聞きたい」の謙譲表現ですので、目上の方に対しても、正式な文書以外のメールや口頭でも使うことができます。

また、「聞く」を「伺う」にするとより相手を立てる表現になるため、立場が上の方へ相談する際には「伺う」がおすすめです。

例文

・○○さん、このデータについてお聞きしたいことがあるのですが、今よろしいですか?

・明日の打ち合わせについて、お伺いしたいことがございます。

(2)「~について教えていただけませんか?」

相談する内容が明確な場合は「ご相談させてください」よりも、相手の性格や状況によってはすぐに本題に入った方が効果的な場合があります。

その場合は、知りたい内容をピンポイントで短く指摘すると相手も回答しやすくなるでしょう。

ストレートな表現ですので、ある程度親交がある関係の場合に効果を発揮するでしょう。

例文

・○○さん、こちらの報告書のこの部分のまとめ方を教えていただけませんか?

・今、○○のトラブルが発生し、困っております。対処法について教えていただけませんか?

(3)「ご意見を伺いたいのですが」

自分の考えがある程度まとまっていて、人の考えを参考にしたい場合には、この表現が的確ですね。

「アドバイスをお願いしたいのですが」という表現でも同じように使えます。

即答しやすい問い掛けですので、相手が多忙、または、その方面についての知識や経験がある方への相談にふわしい表現ともいえます。

例文

・新プロジェクトの企画書をこのようにまとめてみました。ご意見を伺いたいのですが、いかがでしょうか?

・現在の課題について、一覧表にしました。ぜひ、○○さんのご意見を伺いたいのですが、今日の午後にお時間はございませんか?

(4)「相談に乗っていただけませんか?」

職場で親しい関係の先輩への相談なら、このような言葉が気軽で使いやすいかもしれません。

敬語表現を外した「相談に乗ってもらえない?」は、よく使われる表現です。上下関係がない、同僚への相談の時に使ってみてください。

例文

・○○さん、一度私のキャリアプランについて相談に乗っていただけませんか?

・今、職場の人間関係で悩んでいることがあるんだ。今度相談に乗ってもらえない?

(5)「相談があります(ございます)」

「ございます」は、存在するという意味の「ある」の丁寧語で、「相談があります」という言葉を丁寧に表現したものです。相手が誰でも使用することができます。

例文

・○○様に今度のプロジェクトの件で、折り入ってご相談がございます。

・この件についてよくご存じの○○さんにご相談があります。

「ご相談させてください」の言い換えもうまく活用しよう

いかがでしたか?

「ご相談させてください」は敬語表現として間違ってはいませんが、目上の人に対しては「ご相談させていただけないでしょうか?」など、他の表現に言い換えた方が無難です。

ビジネスにおいて、人に何かを相談するというシーンは避けて通れません。

「どういう言葉で表現すべきか分からない」というつまずきによって、相談したいという気持ちが押し殺されてしまわないよう、ぜひ今回紹介した言い換え表現などを参考にしてみてくださいね。

(大部美知子)

※画像はイメージです

※この記事は2020年09月28日に公開されたものです

大部美知子 (ビジネスファシリテーター)

株式会社M‘sコミュニケーション代表取締役。ビジネスファシリテーター。東京女子大学短期大学部卒業後、日本航空株式会社入社。13年勤めた後、JALアカデミー株式会社にて16年、企業向けの接遇指導や、新人からリーダーまで、幅広い層のビジネスコミュニケーション指導に従事する。 2004年12月に独立。企業研修は、「受けるとかならず結果が出る」と定評がある。著書に『気持ちをうまく伝える技術』『ゼロから教えて電話対応』『ゼロから教えて新人教育』『世界で通用する 一流のビジネスマナー』(共にかんき出版)など。

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