「職場の人間関係がストレスで辞めたい」と思うのは、ごく自然なこと。
では、退職理由ランキングの2位に「職場の人間関係」がランクインしています。
みんな転職するときは「さらなる成長がしたい」「夫の都合で」なんて理由を表明するものですが、本音では給与と人間関係、激務に疲れて転職するケースがトップ3。そりゃそうだ。
仮に、あなたの仕事がやりがいも給与もあって、周りの人が優しかったら転職します? あたしゃしないよ。あっ、言っちゃった。
■ 職場の人間関係が最悪になりがちなケース
人生相談をいただいていると「職場の人間関係が最悪になるパターン」がいくつか見えてきます。まずは、各々の地獄をのぞいてみましょう……。
◇(1)職場の上司/ボス的な人と相性が合わない
昔だったら女性は「お局様」なんて言われたでしょうか。上司や実質ボス的な存在の方と相性が悪ければ、どうしようもありません。
よくあるミスマッチは「感情的な上司 vs理屈っぽい部下」または「理詰め上司 vs 感情的な部下」のセットです(詳しくはを参照)。
どちらかが悪いというよりも、相性が悪すぎて双方辛くなります。人生で必ずぶつかる壁ゆえに、「辞めたい」と相談しづらいのもしんどい。
◇(2)職場に陰湿な告げ口・悪口文化がある
「あの人、絶対に整形だよね」
「この前、服がほつれてた。みすぼらしくない?」
「声が気に食わない」
などなど、「悪口ならせめて仕事の評価だけにしろや!」と言いたくなるレベルの低い話題は、人を病ませるのに最適です。
相づちを打つだけで疲れるでしょうし、賛同しなければ孤立しちゃいそうで……。
うっかり賛同したことで、相手の上司に告げ口する人なんかが出たりするとシンプルに最悪。
◇(3)公私混同の要求が多い
休日のバーベキュー大会、彼氏・彼女同伴でのホームパーティー、頻繁な会社飲み……。
公私混同のイベントが増えてくると、肉体的にも辛いですよね。実質、残業じゃん!
また、「自分の子どもの勉強を見てほしい」「妊活の相談に乗って」など、仕事と一切関係ない上司からの依頼があった事例も聞いたことがあります。頼み事だけに、一瞬パワハラと気づかないのがミソ。
「実質残業」と思わされる用事が増えたら、危険信号です。
■ 職場の人間関係が辛いなら。辞める前に心を守るコツ
もう辞めたい! と思ったら。まず、転職エージェントに登録することをおすすめします。
◇転職エージェント「と」社内の信頼できる人に相談しよう
ストレスがたまっているときは、求人にたくさん応募して祈られる(選考で落とされる)だけでも心がバキバキに折れてしまうからです。
転職エージェントは自分に合う職場を代わりに探してくれるサービス。ストレス下でも無理なく転職先を検討できます。
そして、同時並行で悩みを「社内で信頼できる、自分より偉い立場の人」に相談してみましょう。そのとき、“このままだと、辞めたいなって思うこともあります”と、真剣さをにおわせて。
社内での相談と転職エージェントとのやりとりは、相反するように見えるかもしれません。しかし、どちらも並行して進めれば自分が「残る」「辞める」のいずれを選んでも、悔いなく進めます。
転職エージェントへの相談=退職確定ではありません。あくまで、自分が可能性を探す場として相談してみてください。
◇心の回線を閉じられるか試してみて
また、心を守るために「こんな人たちが何を言おうが、もう知らない。私にとってこの職場は人生の全てじゃないし」と、心の回線を閉じられるかも試してみて。
確かに、職場の人間関係に深入りしなければ、優遇はされなくなるでしょう。
「だから何?」と思えたら、あなたの勝ちです。
話し合いで何とか好かれようとか、誰からも嫌われたくないという願望を捨てましょう。
職場の人間関係を割り切ることで何より大事な「あなたの心」を守れます。
■自分の心が大丈夫か、いつも気にかけて
何だか眠れない、逆に眠り過ぎてしまう、最近ごはんがおいしくない、だけど食べ過ぎてしまう……などなど、睡眠と食事に変化が出てきたら、それってうつのサインかも。
メンタルって、完全に病むと復帰に年単位かかることもざらです。
「疲れたな」
「なんか、泣きたいけど泣けない」
「趣味がはかどらない」
「笑顔を作るよう意識しないと笑えない」
「お風呂に入ったり歯磨きしたりするのが面倒になった」
上記のような状態になったあたりで一度、精神科へ相談しておきましょう。早めに相談しておけば、改善も早めにできます。
職場の人間関係ごときに、自分の心を壊されたらそれこそやってらんないっしょ。
あなたの人生で一番大事なのは「いい感じに職場で働くこと」ではなく、自分の心と体が健康なことです。ベンチでぼーっとしながら風を感じてみるとか、たまった本に手を伸ばしてみるとか、そういう力が湧くまではたっぷり休憩してください。
無理のない範囲で、自分ができることをして。元気が出たら、また考えましょう。
(トイアンナ)
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