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「けんもほろろ」の意味とは? 語源や使い方について

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「けんもほろろ」は、どんな時使えるのか?(例文付き)

さて、そんな「けんもほろろ」を実際に仕事やプライベートで使うとしたら、どんな場面が考えられるでしょうか。

例えば、次のようなことを申し込んで断られた場面が想定できます。

・依頼
・相談
・提案
・営業

断られた本人が誰かに報告する場合だけでなく、その様子を第三者の誰かに伝える場合にも使えます。

また「けんもほろろだった」という使い方以外に、助詞を加えて「けんもほろろに〜」「けんもほろろの〜」という使い方もできます。

依頼(講演・出演・仕事など)を断られた時

例文

・最近話題になっている教授に講師を依頼したが、けんもほろろだった。

相談事(悩み相談、買収など)を断られた時

例文

・専務はK社の社長に買収話を持ち掛けたが、けんもほろろの結果だったらしい。

提案(企画や見積もりの提案など)を断られた時

例文

・先方に企画書を受け取ってもらったまではいいのですが、最後まで読んでもらえないまま「話にならん」とけんもほろろに突き返されました。

営業(営業や面談など)で断られた時

例文

・新規開拓しようと張り切って飛び込み営業しましたが、けんもほろろに断られました。

「けんもほろろ」の類語・言い換え表現

ここでは、「けんもほろろ」の類語や言い換え表現を紹介していきます。

「取りつく島がない」

「取りつく島がない」とは、「頼りにしてすがるところがない。相手の態度が冷淡で、近づくこともできない様子」という意味です。

例文

・何とかもう一度契約を考え直してほしいとお願いしましたが、取りつく島がない状況でした。

「木で鼻をくくる」

「木で鼻をくくる」とは、「ひどく無愛想で素っ気ない様子」という意味です。

例文

・少しは期待していたのに、木で鼻をくくったような返事だった。

「にべもない」

「にべもない」とは、「愛想も素っ気もない様子」という意味。

「にべ」とは、魚の浮き袋(にべ)から作る粘り気の強いニカワのことでもあり、その粘りがないことから、素っ気ない様子を表します。

例文

・一度だけでもと面会を申し込んだが、にべもなく拒否された。

知らない言葉に出会ったら、まず調べてみよう

慣用句の中には、今回の「けんもほろろ」のように、自然の動植物が出てくるものがあります。

日本古来の自然と共にある暮らしの中で生まれた表現が、時代を超えてもなお、実感を伴って人々に用いられ続けるというのは、なかなか難しいのかもしれません。

それでも、言葉の意味を知っていれば、それを聞いた時に戸惑う機会は確実に減るでしょうし、表現の幅も広がるはずです。

そのためにも、知らない言葉に出会ったら、まずその場で調べてみることが大切だといえそうですね。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2020年08月25日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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