「けんもほろろ」の意味とは? 語源や使い方について
「けんもほろろ」は、どんな時使えるのか?(例文付き)
さて、そんな「けんもほろろ」を実際に仕事やプライベートで使うとしたら、どんな場面が考えられるでしょうか。
例えば、次のようなことを申し込んで断られた場面が想定できます。
・依頼
・相談
・提案
・営業
断られた本人が誰かに報告する場合だけでなく、その様子を第三者の誰かに伝える場合にも使えます。
また「けんもほろろだった」という使い方以外に、助詞を加えて「けんもほろろに〜」「けんもほろろの〜」という使い方もできます。
依頼(講演・出演・仕事など)を断られた時
例文
・最近話題になっている教授に講師を依頼したが、けんもほろろだった。
相談事(悩み相談、買収など)を断られた時
例文
・専務はK社の社長に買収話を持ち掛けたが、けんもほろろの結果だったらしい。
提案(企画や見積もりの提案など)を断られた時
例文
・先方に企画書を受け取ってもらったまではいいのですが、最後まで読んでもらえないまま「話にならん」とけんもほろろに突き返されました。
営業(営業や面談など)で断られた時
例文
・新規開拓しようと張り切って飛び込み営業しましたが、けんもほろろに断られました。
「けんもほろろ」の類語・言い換え表現
ここでは、「けんもほろろ」の類語や言い換え表現を紹介していきます。
「取りつく島がない」
「取りつく島がない」とは、「頼りにしてすがるところがない。相手の態度が冷淡で、近づくこともできない様子」という意味です。
例文
・何とかもう一度契約を考え直してほしいとお願いしましたが、取りつく島がない状況でした。
「木で鼻をくくる」
「木で鼻をくくる」とは、「ひどく無愛想で素っ気ない様子」という意味です。
例文
・少しは期待していたのに、木で鼻をくくったような返事だった。
「にべもない」
「にべもない」とは、「愛想も素っ気もない様子」という意味。
「にべ」とは、魚の浮き袋(にべ)から作る粘り気の強いニカワのことでもあり、その粘りがないことから、素っ気ない様子を表します。
例文
・一度だけでもと面会を申し込んだが、にべもなく拒否された。
知らない言葉に出会ったら、まず調べてみよう
慣用句の中には、今回の「けんもほろろ」のように、自然の動植物が出てくるものがあります。
日本古来の自然と共にある暮らしの中で生まれた表現が、時代を超えてもなお、実感を伴って人々に用いられ続けるというのは、なかなか難しいのかもしれません。
それでも、言葉の意味を知っていれば、それを聞いた時に戸惑う機会は確実に減るでしょうし、表現の幅も広がるはずです。
そのためにも、知らない言葉に出会ったら、まずその場で調べてみることが大切だといえそうですね。
(前田めぐる)
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※この記事は2020年08月25日に公開されたものです