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人の顔色を伺う人の長所と短所。やめたい時の対処法も紹介

平松隆円(化粧心理学者)

「顔色を伺う」とは、相手がどんな心理状態かを推測すること。これは長所にも短所にもなりますが、短所ばかりが目立つと「もうやめたい」と思うことも。では、顔色を伺うのをやめるには? 心理学者の平松隆円さんに教えていただきます。

周囲にいる人が、何を考えているのだろうとか、自分をどう思っているのだろうと気にした経験は、誰にだってありますよね。

そういう行動を、“顔色を伺う”と言ったりします。

相手の気持ちや考えを知ろうとすることは、決して悪いことではありません。とはいえ、あまりに度が過ぎるとネガティブにとらえられてしまうことも、しばしばあります。

どうして、周囲にいる人の気持ちや考えを推し測ろうとしすぎてしまうのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

「顔色を伺う」ってどういうこと?

まずは「顔色を伺う」ことについて、その意味を考えてみましょう。

“顔色を伺う”という言葉を『大辞林』(三省堂)でみてみると、「相手のご機嫌をうかがう」とあります。同じ意味の言葉として、“顔色を見る”があります。

ところで、“顔色を伺う”の“顔色”、あなたは何と読みましたか? 正しくは“かおいろ”。

ですが、“顔色を窺う”と書く場合は、“がんしょくをうかがう”と読みます。こちらの意味は「相手の表情によってその心情を知ろうとする」となりますが、大きなちがいはないので、今回はあまり厳密に区別をせず進めていきましょう(ちなみに、よく似た意味の言葉に“鼻息を窺う”というのもあります)。

さて、コミュニケーションの観点では、周囲にいる人の顔色をうかがうことは、悪いことではありません。目の前にいる人が、何を考え、どんなふうに感じているかを知らないと、相手を傷つけるような言動をして、人間関係を壊してしまうことにだってなりかねません。

その意味で、“顔色を伺う行動”というのは、コミュニケーションの基本でもあるわけです。

人の顔色を伺う人の長所

人の顔色を伺う人には、以下のような長所があります。

空気が読める


顔色を伺うことで、相手を傷つけるような言動を避けることができます。つまり、場の空気を読むことができるわけです。

顔色が伺えない人は、周囲の人の気持ちなんて関係なく、自分本位に好きなことを言ったり、平気で相手を傷つけるような行動ができてしまいます。

よく気がつく人だと思われる


他人の顔色が伺える人は、相手が何を欲しいかを誰よりも早く感じとって、口に出されない要望を提供することができます。ある意味、接客業向きなタイプかもしれません。

お客さんの中には、なかばクレームのように自己主張する人もいれば、自分がしてほしいことを遠慮してなかなか言えない人もいます。他人の顔色をうかがえる人は、そういうお客さんの気持ちを察することができるので、「よく気がつく人」と思われるでしょう。

自分勝手だと思われにくい

顔色をうかがう
空気が読めることと共通しますが、相手の気持ちを察することができるので、自分勝手だと思われにくいかもしれません。つまり、相手が「ゆずってほしいな」という部分を察して、頼まれなくてもゆずってあげたりすることができるわけです。

人の顔色を伺う人の短所

逆に、人の顔色を伺うことは以下のような短所につながる場合もあります。

常にストレスを抱えてしまう


とはいえ、度を超えて他人の顔色を伺ってしまう人は、常にストレスを抱えてしまうという、悪い側面もあります。

心理学的には、例えば乳幼児期にすぐ怒る支配的な親のもとで育った子どもは、親から怒られないようにと、親の顔色を伺うのが上手になるとされています。

これは決していい意味で顔色をうかがえるようになったわけではなく、自分のおかれている状況が不安定なものだから、身についてしまったわけです。嫌われないように」「気分を害さないように」と考えることで、常にストレスを抱えてしまうことになります。

自分の好きなことができない

顔色をうかがう
度を超えて顔色を伺う人は、周囲を優先して自分の言動を決めます。そのため、言いたいことも言えず、やりたいこともやれない、“自分の好きなことができない”ということになってしまいます

本人としては、相手のことを考えているにもかかわらず、周囲からは「自分をしっかり持っていない」とか、「八方美人」だなんて陰口を言われているかもしれません。

都合がいい存在になる

顔色をうかがう
周囲の人を優先して自分の言動を決めるため、周囲がそれに気づいてしまうと、都合よくあつかわれることもあります。例えば、何を言っても反論しないため、傷つくことを言われたりします。

また、何をしても自分のことを後回しにして受け入れるため、自分の予定を相手の都合で決められたり、簡単に約束を破られたり、ということもあるでしょう。

顔色を伺いすぎて疲れた……やめたいときの対処法

このように他人の顔色や反応をいちいち気にしすぎて、いい加減、疲れてしまった……。そんなときは、どうすればいいのでしょうか。

嫌われないようにふるまうことをやめる

さきほど、「乳幼児期にすぐ怒る支配的な親のもとで育った子どもは、親から怒られないようにと、親の顔色を伺うのが上手になる」といいました。

子どもにとって、親は大好きな存在です。そんな大好きな親に嫌われないよう、見捨てられないように、顔色をうかがうようになってしまう。その経験が、大人になっても影響を及ぼしています。

ですが、もう大人になった今は、“すべての人に好かれよう”“嫌われないようにふるまおう”とすることはやめてしまいましょう。あなたの周囲の全員に好かれなくても、それが必ずしも“嫌われているわけではない”と理解することも大事なことです。

自分の中の“ゆずれない部分”をはっきりさせる

顔色をうかがう
誰にでも、自分にとって大切なこと、ゆずれないことというのはあります。ですが案外、その何かを自分ではわかっていないものです。

だから相手の顔色を伺い、相手を優先してしまうのかもしれません。思い当たる人は一度、自分にとってゆずれないことは何かを考えてみましょう

ひとりになれる時間を作る


とはいえ、顔色を伺い慣れている人がそれをやめるというのは、口で言うほど簡単なことではありません。であれば、他人の顔色をうかがわなくてすむ状況、つまりひとりでいる時間を作るように心がけることも必要かもしれません

くり返しになりますが、他人の顔色をうかがうこと自体は、悪いことではありません。ただ、あまりにも顔色をうかがうことが癖になっている人は、意識してやめるようにしましょう。そうしないと、仕事でもプライベートでも、人間関係に疲れてしまうことになりますよ。

(平松隆円)

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※画像はイメージです

※この記事は2019年09月30日に公開されたものです

平松隆円(化粧心理学者) (化粧心理学者)

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、タイ国立チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。日本やタイを拠点に、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。

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