尋問はNG。手をつながれたときの「正解対応」 #このデートどこがダメですか?
次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
今回の失敗デート
気になる男性と2回目のデートの帰り道、相手から手をつながれました。3回目のデート中にめちゃくちゃ真剣な顔で「なんであのとき手をつないだの?」と詰めてみたら、相手は口ごもり、気まずくなって終了しました。
今回のダメポイント:「無粋な質問」をしてしまったこと
恋愛禁止令が出ている某アイドルグループは当然として、世の中の女性アイドルに「彼氏いるんですか?」と聞くほど無粋なことはないでしょう。
彼女たちに彼氏がいるかどうかはわかりません。
もしも彼女たちに彼氏がいないのであれば「いない」と答えて話は終わりですが、もしも彼氏がいた場合はどうなるでしょうか?
最近は「アイドルに恋人がいても気にしない(自称)」な方も増えましたが、現実的に多くのファンはそうではありません。
特にそのアイドルの生計を支えているコアなファンたちは、往々にして恋人の有無を気にする方たちでしょう。
つまり仮に恋人がいたとしても、彼女たちは絶対に「います」とは言えないのです。
そしてそのアイドルがフライデーされたときに「嘘をつかれた!」と怒り出す。
いったい誰が得をしているのでしょうか?
アイドルはもちろん、ファンもまた得をしていません。
そんな質問さえしていなければ、たとえフライデーされても「嘘をつかれた!」とはならなかったのに、無粋な質問をしてしまったばかりに無駄に深く傷ついてしまうのです。
『名探偵コナン』の原作者である青山剛昌先生に「黒の組織のボスって阿笠博士ですか?」と質問するのも同じようなものでしょう。
もしも黒の組織のボスが阿笠博士であったとしても、青山剛昌先生は「そうだよ」とは言えません。
かといって「ちがう」と言えば新しいストーリーを考えなくてはいけませんし、「回答できません」と言ったらもはや「黒幕は阿笠博士です」と言っているようなもの。
その質問をされた時点で、青山先生は何も答えることができなくなってしまうのです。
ですので、このような質問をすると、青山先生は当然損をしますが、私たちファンも最大の謎という楽しみを失ってしまい、損をしてしまうでしょう
こういった、聞く側も聞かれる側も得をしない質問。
それを「無粋な質問」というのだと私は思います。
男性が手をつなぐ理由は「下心」以外にない
それでは今回のデートはどうでしょうか?
今回の女性は真剣な顔で「なんであのとき手をつないだの?」と質問をしたようですが、この質問に男性側がどう答えれば満足されたのでしょうか?
そんなもの「下心」以外に理由は御座いません。
しかし、男性が正直に「下心でした」と言ったところで今回の女性が喜ぶことはないでしょう。
ならば適当に冗談で誤魔化そうと思っても、何やらやたらと真剣な顔で冗談が通じなそうな様子。
「適当な答えで逃げようとしたら、セクハラで訴えんぞ」とでも言いたげな状況なのです。
男性にとっては八方塞がり。
答えようがない質問なのです。
もしも今回の女性がこの男性との関係を終わらせたいと考えているのであれば、この質問をすることで女性にメリットは御座いますが、この男性との関係を発展させたいと考えているのであれば、この質問はどちらにとっても得がない「無粋な質問」だったといえるでしょう。
ですので、もしも今回の男性との関係を発展させたいのであれば、手をつながれたことには触れず、むしろ次のデートではこちらから手をつないでしまうくらいのことをすればよかったのです。
もちろん、関係を発展させたくないのであれば、今回の質問をして相手を問い詰めてもいいでしょう。
(文:ラブホの上野さん、イラスト:タテノカズヒロ)
連載「このデートどこがダメですか」バックナンバー
※この記事は2019年08月04日に公開されたものです