お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

がんがわかる!? 耳鼻咽喉科医に聞く「口臭タイプ」でわかる病気

木村聡子

恋愛でもビジネスでも、口臭はマイナス要素になるもの。働く女性のみなさんは、日々口臭対策をしているかと思います。しかし、この嫌な口臭は、自分の体の状態を知る手がかりにもなるのだそう。そこで今回は、日本耳鼻咽喉科学会専門医で医学博士の木村聡子先生に、口臭タイプでわかる病気について教えてもらいました。

●口臭には2タイプある!

・生理的口臭

基本的には、口がまったくニオわない人はいません。特に、何かに集中しているときや緊張しているとき、おなかがすいているとき、寝起きなどは唾液の量が減るので口臭がいつもよりきつくなります。異臭の正体は、「揮発性硫黄化合物」といい、これが多くなると口臭がきつくなると言われています。特に病気がなくても起こりうるものを生理的口臭といい、正常な口臭です。

・病的口臭

程度の問題ではありますが、なんらかの病態によって生理的口臭の域を超えた口臭は、病的口臭となります。扁桃炎、咽頭炎、鼻から口に膿が垂れてくる副鼻腔炎(蓄のう症)、虫歯や歯周病など口の中のトラブルで細菌が増えてしまった場合や、全身疾患が原因となることもあります。

●ニオイの特徴でわかる病気5つ

口臭とひと口に言っても、ニオイに特徴が出ることも。ただ、口臭に特徴が出てくるのは、病気が深刻な状況になった場合がほとんどです。多くの人が悩む口臭は、生理的口臭である場合が多いのですが、特徴的な口臭を5つご紹介します。

ただし、このようなニオイがあるからといって必ずしも病気があるとは言えませんので、気になる方は医師に相談することをオススメします。

(1)肉が腐ったニオイ
舌がん・咽頭がん・肺がんなど、口の中や呼吸器系で起こるがん患者に多い。

(2)アンモニア臭
肝硬変・肝臓がん、腎臓の機能が悪い場合などに多い。

(3)酸っぱいニオイ(アセトン臭)
糖尿病患者に多い。

(4)焦げたニオイ
カンジダ症患者に多い。カンジダはもともと正常でも体に存在するカビの一種だが、HIV感染者や糖尿病、高齢者など免疫機能が低下した場合には感染を起こすことがある。性病としても有名な菌だが、口の中で感染を起こす「口腔カンジダ症」というものも。オーラルセックスが原因となることもある。

(5)便臭
長期の便秘や腸の病気の患者に多い。

●口臭のチェックと対策方法

自分で口のニオイをチェックしたいときは、唾液を指で取り、乾かしたあとに指のニオイを嗅いでみてください。正常なときは無臭で、口臭がきついときはくさくなっているはずです。口臭チェックの目安にするといいでしょう。

普段の口臭対策には、とにかく唾液の分泌量を多くすることが重要です。しゃべったり、ガムを噛むなどして、唾液を積極的に出すようにしましょう。もちろん、歯磨きなどで、口の中をキレイに保つようにすることも大事です。もしそれでも、いつもとちがう異臭がしたら、医師に相談してみてくださいね。

(取材協力:木村聡子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年10月27日に公開されたものです

木村聡子

女医+(じょいぷらす)所属。日本耳鼻咽喉科学会専門医、医学博士。

この著者の記事一覧 

SHARE