生理不順はストレスが原因!? ピルじゃなく漢方薬で治療できる?
U美「めまいはけっこうあります。頻繁なのであまり気にしてなかったですが……。あとは生理が遅れることがあります」
丸山先生「どのぐらい遅れますか?」
U美「最近2カ月こないこともあります。あとは体と頭が常に重くてすっきりしないとか。でもこれは社会人なら誰にでもよくあることですよね」
丸山先生「うーん……。最近ストレスを感じることはありましたか?」
U美「えーっと、人間関係でちょっと悩みがあります。半年ぐらい前から特に上司とも後輩とも上手くいっていなくて」
丸山先生「ふむふむ……」
U美さんの体質や症状をまとめると……
・がっちり体形でもともとは丈夫
・少し暖かいところへ行くと、顔ののぼせと発汗があって不快
・めまいを感じることも
・肩こり、頭と体の重たい感じがある
・熟眠できず、気分がすっきりしない感じが続く
・月経不順で、以前は毎月きていた月経が2カ月こないことも
・のぼせやめまいを感じ始めたのと月経が不順気味になったのは同時期
丸山先生「U美さんには女神散(にょしんさん)を処方します」
U美「女神っていう字なんですね。なんか素敵……。女性向けの漢方薬なんですか?」
丸山先生「女性ホルモンの変動に伴って現れるさまざまな症状に用いられる漢方薬です。U美さんの場合、もともとは月経不順やのぼせもなかったということから、なにがしかのストレスで女性ホルモンのバランスが崩れて、のぼせや月経不順、めまい、不眠などいろいろな症状が出ていると考えられます」
丸山先生の初心者講座1
生理、妊娠、出産、産後、更年期など女性ホルモンの変動に伴う精神神経症状および身体症状を古い東洋医学用語で「血の道症(ちのみちしょう)」と言うことがあります。
U美「のぼせも月経不順も同じ原因だったんですか……!」
丸山先生「特に女神散は、瘀血(おけつ)や気逆(きぎゃく)の症状がある場合に用いられます。のぼせは東洋医学的には気逆の所見です。体内の血や気の滞りから、気が逆流して上にあがり顔がのぼせてしまうんです」
丸山先生の初心者講座2
女神散は実証(もともと体力があるタイプ)の固定愁訴(同じ症状を訴えること)に用います。これに対し、中間証~虚証(虚弱なタイプ)の不定愁訴(症状の内容がよく変わること)の場合は加味逍遥散を用います。
U美「そうなんですね」
丸山先生「のぼせなど熱証を冷やす生薬のほか、憂鬱な気分を晴れやかにする生薬など、いろいろな生薬が入った漢方薬です。毎日3回飲んでください」
U美「のぼせとか生理不順とか肩こりとか、いろんな症状が緩和するかもしれないんですね。頑張って飲んでみます!」