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【新連載】神さま、どうか今年こそあの人と縁を切れますように……

Story3 ★縁切りの前に切れたもの

マズい、治るのに時間のかかるケガしそう
……と思ったところで、
誰かの大きな手がしっかり背中を支えてくれた。
目の前に広がる青い空が目に染みる。

「大丈夫ですか?」
声をかけられて、あわてて体を起こすと、
間近にがっしりした体格の男性が立っていた。
そしてわたしの手には男性の肩掛けバッグが。
どうやらわたしは転んだ拍子に、
この人の肩掛けバッグの紐をつかみ、
思い切り引きちぎってしまったようだ。

……信じられない。
恥ずかしすぎるし、申し訳なさすぎる。

「すみません! バッグ壊しちゃいました」
「ああこれ、かなり使い込んでますから、
気にしないでください」
「いや、そんなのダメです。申し訳ないです。
弁償しますから……」
「そんなの、こっちが困っちゃいますよ」
男性はケラケラ笑って、手を横に降った。

「じゃあ……もしお急ぎでなかったら、
お昼ご飯をおごらせてください」

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