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【新連載】田舎に戻った私が出会ったのは、やさしくて頼れる人……

上柳美代子はたしかに朝里の誇る有名人だけど、
わたしは正直、あまり興味がない。
それよりも久々に、ほんの少しでも、
イベントに携われることの方が何倍もうれしい。

「ただいま帰りました」
岩城さんとともに図書館に戻ると、
みんなニコニコと出迎えてくれた。
……なんとなく、気恥ずかしい。
そんな中
「受付は藤川さんにお願いすることになりました」
と岩城さんが報告すると、みんな口々に
「申し訳ないね」「ごめんね」とわたしに謝る。

「そんな、みなさん本当に気にしないでく
ださいね」
と言うと、図書館の先輩や上司の方々はみな、
うなずきはするのだけれど、
顔はやっぱりすまなそうなままだ。

仕方ない。
こういう誤解は解きようがないので、
あきらめてスルーさせてもらうことにした。
それより図書館だよりにどんな記事を書くかとか、
ポスターの貼り場所やチラシの置き場をどうするか、
など、考えるだけで久しぶりに、
気分がワクワクするのを感じていた。

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