助手席の役割は? 「ドライブデート」の注意点 #このデートどこがダメですか?
次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
今回の失敗デート
気になる男性とのドライブデート。相手が運転してくれましたが、私自身あまり車に乗る機会がないため、ただ助手席に乗って、たまに話を振る程度でした。だんだん相手の口数が少なくなり、顔にも疲れが見えていたのですが、私はいったい何をすればよかったのでしょうか……。ドライブデートで運転席の男性がされるとうれしい気づかいを教えてください。
男性はデートで「自分の特技」を披露したがる
ご質問誠に有難う御座います。
昔、私の友人のYくんが初めてのデートでゲームセンターに行っておりました。
ゲームセンターデートというと、プリクラやUFOキャッチャーのような2人で楽しめるゲームを想像されるかもしれませんが、彼が選んだのは音ゲー。
それでも女性と対戦などをしていればまだよかったのですが、その女性は音ゲーをやったことがなくただうしろで見ているだけ。彼女はさぞや退屈だったことでしょう。
こんなデートがうまくいくはずもありません。当然のことながら2回目のデートはありませんでした。
さて、それではいったいなぜYくんはデートでゲームセンターを選んだのでしょうか?
その答えは、私と彼でデートの反省会をしていたときの、彼のひと言に集約されます。
「俺、あの音ゲーが得意だから。かっこいいところを見せられると思って」
“ドライブだけ”のデートは修羅の道
たとえば山奥の旅館デートを計画していて、その旅館に行く過程としてドライブデートを楽しむのはいいでしょう。
この場合、ドライブはあくまでも「手段」に過ぎません。旅館デートをするために必要な経費のようなものですが、その経費でいかに楽しむかの工夫をするのはとてもいいことだと思います。
しかし、特にはっきりとした目的地がないドライブデートの場合、これは先ほどのゲームセンターデートと何も変わりません。
ドライブデートをしたい男性の意見を聞くと、「かっこいい運転姿を見せたい」というようなものが多いのですが、それは「音ゲーでかっこいいところを見せたい」と言っているYくんと何も変わらないのです。
世の中には「車に乗るのが好き」という方もいらっしゃるとは思いますが、それはあくまでも「気軽に好き勝手できる状態であれば」という条件がついている場合に限るでしょう。
今回のご質問者さまもおそらく車内で感じていたことと思いますが、助手席にいると運転手に何かと気を使わなくてはなりませんので、楽しいどころかただただ疲れてしまうのです。
飲み物を用意したり、適度に会話を盛り上げたり、さらには「運転してくれてありがとう!」とか「運転する男の人ってかっこいいよね」的な接待まで要求されている気持ちになってしまいかねません。
そんな状態で助手席を楽しめる方などそうそういないことでしょう。
もちろんこれが「どこかへ行くための手段としてのドライブ」ならばいいのです。
しかし、ドライブそのものが目的になっているデートなんて、ゲームをしている彼をうしろから眺めるデートと変わりません。
よほど惚れているか、よほどドライブが好きな女性でもない限り、まず楽しめないことでしょう。しかも運転手はそんな自分をかっこいいと思っている可能性が高いので、気を使わなくてはならないのです。
自分は何もできない。
無言のプレッシャーで感謝や賞賛を要求される。
水や食べ物を提供してあげないといけない。
会話を盛り上げないといけない。
そして何よりも目的地がない。
こんなものはもはやキャバクラと変わりません。ドライブのみのデートに付き合ってあげるのは、時給が発生するレベルの労働と言ってもいいでしょう。
もちろん「一緒にいるだけで幸せ」レベルの状態であれば、ドライブデートも楽しいでしょうが、それはドライブが楽しいのではなく「一緒にいること」が楽しいだけなのです。
ですので、目的地がないドライブデートは基本的に断ってしまったほうが賢明でしょう。
また、目的地があるにしても、明らかにドライブの比重が大きいデートの場合も、同じように断ることをオススメさせていただきます。
ドライブで助手席に座ったら何をすればいいのか
ひと昔前であれば、助手席に座る人は地図を広げていれば許されておりました。
しかしカーナビが普及した今日では、地図を広げる理由は御座いません。
それでは助手席ではいったい何をすればいいのでしょうか?
まず、もっとも簡単なのが会話。
相手が運転をすると会話ができなくなるタイプの男性でなければ、会話をしていれば問題ありません。
会話のテーマはなんでもいいのですが、これから行く予定の目的地の話だと比較的話も弾みやすいことでしょう。
とはいえ、車に乗ると口数が減るタイプの男性の場合、この方法はうまくいきません。
そんな場合にオススメなのが、ひたすらに何かを食べ続けるという方法です。
運転中に口数が減る男性は、運転中に余裕があまりありません。
ですので、話しかけても運転の邪魔になってしまうので話しかけないほうがいいのです。
しかし、運転をしている男性はそれでよくても、座っているだけの女性はそういうわけにはいきません。
何もせずにただ座っているだけという空気に耐えられない方も多いでしょうし、そもそもあまりにも退屈が過ぎます。
こんなときは、悪い空気を出さないためにも、ひたすらに何かを食べ続けましょう。
何かを食べている感じさえ出れば、会話がなくても気まずい空気はかなり軽減されます。ですので、極端な話、食べていなくても食べている感さえ出ればいいでしょう。
オススメなのはマックのポテトなど、運転中でも食べやすいもの。適当なタイミングで「食べる?」といえば、気まずさはかなり軽減されます。
また、意外とオススメなのがスマホいじり。
一般的に助手席でスマホをいじっているのは嫌がられますが、それはひとりでスマホをいじっているから。
これから行く目的地のことを調べていたり、スマホで見つけたネタで会話をしたりしていれば、険悪なムードにはなりません。
ちなみに、さまざまなドライブデートの記事でオススメされている「飲み物の用意」や「食べ物の用意」などは、男性に頼まれたときと自分が飲み食いするときだけでいいでしょう。
なんの脈絡もなく、わざわざ「飲み物いる?」なんて聞く必要はありません。喉が渇いたら男性からお願いしてくるので、そのときを待っていればいいのです。
それでも不平不満を言われたら?
そのときはあなたがハンドルを握って、男性に助手席の苦しみを味合わせればいいでしょう。
(文:ラブホの上野さん、イラスト:タテノカズヒロ)
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