「お知りおきください」は正しい敬語? 意味や使い方、言い換え表現【例文付き】
「お知りおきください」の使い方・例文
「お知りおきください」は丁寧な表現です。取引先や目上の人に対して使うのはケースバイケースと先に述べましたが、使い方によっては相手に不快感を与えることなく、使える場合もあります。
相手に失礼のないように「お知りおきください」と伝える場合の言い回しを理解しておきましょう。
ここでは、「お知りおきください」を使った例文を紹介しますので、よく使われるシーンと合わせて覚えておきましょう。
「商談には弊社の部長が同席することをお知りおきください」
これは、取引先との商談のアポイントの前に、役職者が同席することを伝えておく言い方です。あらかじめ知っておいてもらうことで、相手に心づもりをしてもらいたい時に使います。
相手にあらかじめ知っておいてほしい注意事項を伝える際には、「お知りおきください」と表現し、柔らかい伝え方をすることが効果的です。
「受付が18時で終了することをお知りおきください」
これは、特定の1回だけでなく今後も引き続き覚えておいてほしいことを相手に伝える時に使います。もしこのことを知らないと困りますよ、という内容を相手に伝える際にも、角が立たずに伝えることができるでしょう。
「営業時間を延長できないことをお知りおきください」
知っておいてほしいことを伝えるだけでなく、営業時間内に用件を終わらせたいということをやんわりと伝える際にも有効な表現です。
他にも、「会議室は17時までの予約であることをお知りおきください」といった使い方もあります。この場合は、会議は17時までに終わらせる、という意味を含んでの言い回しです。
「点検のため、この時間はエレベーターを使用できなくなるのをお知りおきください」
これは、特定の相手に伝えるだけでなく、不特定多数の人に告知したい場合に使う言い方です。ポスターや掲示、回覧などで見かけることもあるのではないでしょうか。
多くの人たちが知っておかないと困ることを、目に留まる方法で伝える時に効果的な表現です。
「お知りおきください」の言い換え表現
「お知りおきください」を言い換える表現について解説します。言い換え表現もマスターし、適切な場面で言葉を使い分けられるようにしておくとよいでしょう。
「お含みおきください」
「お含みおきください」は、心に留めておくという意味の「含み置く」の尊敬語です。相手に事前に心に留めておいてほしいことを伝える時に使います。
これは、取引先や目上の人に対しても使える表現です。例えば、「あらかじめ心に留めておいていただけると助かります」というような言い方が一般的です。
「お見知りおきください」
これは「お知りおきください」とよく似た言葉ですが、初対面の相手に対して使います。自分のことを覚えておいてほしい時に使うのが一般的です。
自分からあいさつをする時や、取引先に上司や社内の人を紹介する時、知人に友人を紹介する時などに使える言い方です。
「ご承知おきください」
「ご承知おきください」は、相手に事前に知って理解してほしいことがある場合に使います「承知する」を丁寧に表す言葉です。
単に知っておいてほしいということを伝えるだけではなく、知ってもらったうえでさらに覚えておいてほしいことがある時に使われます。特に、目上の人や取引先の相手に伝える際に使うとよいでしょう。
「ご了承ください」
これは、相手に知ってもらうためだけでなく、受け入れて納得してもらいたい時に使います。状況を理解し、納得してもらいたいということを丁寧に伝える表現です。
「あらかじめご了承ください」ということで、事前に注意事項を周知する際などにも使われます。
相手に失礼に思われないよう正しい言葉を使おう
「お知りおきください」は、相手に事前に知っておいてほしいことがあり、それを伝える時に使う言葉です。
丁寧な表現ですが、誰に対しても間違いなく使えるわけではありません。場合によっては一方的だと感じられてしまうこともあるので、相手との関係性や状況をみながら使う言葉を選べるようにしておきましょう。
また、他の言葉を組み合わせることにより、相手が不快感を持ちにくくなる場合もあります。例文での使い方や言い換え表現も覚えておくことで、より適切な表現を使えるようになりますので、ぜひ覚えてくださいね。
(神戸 梛来)
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※この記事は2023年10月24日に公開されたものです