「お手間とらせて」の意味とは? 正しい使い方と言い換え表現を解説
「お手間とらせて」の言い換え表現
上述のとおり会話やメールで同じ表現ばかりしていると、定型文のようになってしまい相手に気持ちが伝わらなくなってしまいます。
そうならないために、言い換え表現も覚えておきましょう。ここでは「お手間をとらせて」の言い換え表現について紹介します。
(1)「お手数をおかけして」
「手数」とは、仕事をするのに要する労力・時間のことです。「お手数おかけして」は、特に労力を使ってもらう時に使う表現で、自分のために相手が作業してくれた際に、感謝や謝罪の意を込めて使います。
作業が多い時には「お手間をおかけして」より「お手数をおかけして」を使った方が良いでしょう。
ただし「お手数をおかけして」はある程度の作業量をする意味合いがあるので「物を取ってもらう」など簡単な作業をお願いする場合には適していません。
例文
「先日のセミナーにおきまして、お手数をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんでした」
また例文のように、何に対してお手数をかけてしまったのかも伝えるようにしましょう。
「お手数をおかけして申し訳ございません」の使い方を、例文と共に解説します。
(2)「お手を煩わせて」
「煩う(わずらう)」とは、事態の順調な進行を妨げる要因があって、その対応に苦労するという意味です。
「お手を煩わせて」は自分でも対応できたはずなのに、相手に面倒や苦労をかけてしまった時に使用する表現です。「お手間をおかけして」よりも自分の落ち度によるところが大きい場合などに使用します。
(3)「ご足労いただき」
「ご足労」とは、相手にわざわざ来てもらう、または行ってもらうという意味です。「ご足労いただき」には、自分が行くこともできたのに相手にわざわざ来てもらった時に謝罪や感謝を示す表現です。
また、これから相手に移動してもらう時には「ご足労をおかけしますが」という表現を使います。
基本的には取引先に対して使うことが多い言葉になりますが、営業先に上司が来てくれる際にも「ご足労」という言葉は使用することができます。
株式会社櫻井弘話し方研究所の櫻井弘さんに、注意点や言い換え表現と併せて、「ご足労」について解説してもらいます。
(4)「ご負担をおかけして」
「負担」とは、その仕事や義務、またはそれに対する責任という意味があります。「ご負担をおかけして」は、作業や時間よりも責任を引き受けてもらうなどの精神的な意味合いで使用するのに適しています。
その他には値上げなどの費用を負担してもらった時などでも使用することができます。
例文
「今回の料金改定で、お客様のご負担が大きくなってしまいますことを心よりお詫び申し上げます」
例文のような形で、会社からの案内として使用する場合もありますので、この言葉も覚えておくと良いでしょう。
「お詫び申し上げます」の使い方と注意点、言い換え表現などを紹介します。
「お手間とらせて」は感謝や謝罪を伝える言葉
「お手間を取らせて」は、上司や取引先など目上の方に対して、自分のために時間や労力を使わせてしまった時に使用する表現です。
「お手間をとらせて申し訳ありません」など謝罪や感謝の言葉と一緒に使用すると相手に気持ちも伝わりやすくなります。
謝罪や感謝はその状況に応じた言葉を使い、気持ちを伝えることが大切です。「お手間をとらせて」の意味や言い換え表現などを覚えて状況に応じた正しい使い方ができるようにしておきましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年02月01日に公開されたものです