「性癖」という言葉に対して、「性的嗜好」や「フェチ」と似たイメージを持っている人はいるかもしれません。
しかし、「性癖」にはもっと広義の意味があることを知っていましたか?
この記事では、まず「性癖」の意味や使い方を、例文と共に確認しましょう。その上で、実際にあるフェチ・性的嗜好という意味での性癖を紹介します。
■性癖の意味や使い方とは?(例文つき)
まずは「性癖」が本来持つ意味と使い方を確認しましょう。
◇意味は「偏った性質」
「性癖」という言葉は、国語辞典によると以下のような意味です。
せい‐へき【性癖】
〘名〙 生まれつきの性質。また、性質上のかたより。くせ。
※蕉堅藁(1403)古河襍言五首「嬾拙慚吾成二性癖一、休居幸免時疑」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「女子が綺羅を飾るの性癖を以て」 〔蒙斉筆談〕
(『精選版 日本国語大辞典』小学館)
「性癖」を「性的嗜好」や「フェチ」という意味で使う人もいますが、そのような意味だけでなく、^もっと広い意味での偏りを指します。^
例えば、「緊張した時に髪の毛を触ってしまう」といった癖も、「性癖」の一種であるといえます。
◇使い方(例文つき)
「性癖」という言葉は、^「性的嗜好」「フェチ」はもちろん、それ以外の趣味やこだわりを表す時^に使えます。
また、^人のネガティブな気質や癖も「性癖」といえる^でしょう。
☆例文
*・「私の恋人には、コスプレ好きという^性癖^がある」
・「彼にはモーツァルトしか聴かないという^性癖^がある」
・「彼女には、何でも否定的に捉えてしまう^性癖^がある」
・「私には、緊張すると手をもじもじさせてしまうという^性癖^がある」*
■実際の性癖例
現代では、「性癖」を「性的嗜好」「フェチ」という意味で使う場合も多いです。
では、そのような意味での性癖には、どのような種類があるのでしょうか? 以下に例を紹介します。
◇(1)ソフトSM
^SMとは、加虐と被虐により満足を得る性的欲求^のこと。
相手に対して精神的・肉体的苦痛を与えて興奮を覚える「サディスト(S)」と、痛みを与えられることに興奮を覚える「マゾヒスト(M)」に分かれてプレイを行います。
本格的なものはさまざまな道具が必要で危険を伴う場合もあるため難易度が高めですが、それを^気軽に楽しむのがソフトSM^です。
例えば、手足を軽く拘束したり目隠しをしたりといったプレイが一般的でしょう。
もちろん、いくら軽めの行為とはいえ相手の同意を得ることが大切です。
◇(2)コスプレ
^性癖の例としては、「コスプレが好き」というものも挙げられます。^
「コスプレ」とは、ナース服やセーラー服といった制服、アニメのキャラクターが着ている衣装などを着て、その人物になりきること。
「相手にコスプレをしてもらうのが好き」という人は、一定数いるようです。
◇(3)匂いフェチ
^相手の匂いに興奮を覚える「匂いフェチ」という性癖^もあります。
例えば、シャンプーや柔軟剤、香水など、「ふとした時に相手から香る匂いが好き」という人は珍しくないでしょう。
中には、「首筋の匂いが好き」というように、相手の体そのものが持つ匂いを好む人もいます。
◇(4)手・血管フェチ
^性癖には、「手・血管フェチ」というものもあります。^
このような性癖を持つ人は、すらりと伸びたきれいな指やうっすら血管が透けた肌に興奮を覚えるようです。
また、「腕に力を入れた時に浮き上がる血管が好き」という人もいます。
◇(5)筋肉フェチ
^筋肉フェチとは、相手の筋肉に興奮を覚える性癖^のこと。
例えば、男性のたくましい腕や胸の筋肉に「守ってくれそう」「頼りになりそう」といった印象を抱き、魅力を感じる人がいます。また、「女性のうつくしい腹筋が好き」という人も。
筋肉フェチの人は、腹筋や胸筋、腕の筋肉など、特定の筋肉に強い興味を示す場合もあります。
◇(6)日焼け肌フェチ
^「日焼け肌フェチ」という性癖^もあります。
この性癖を持つ人は、^小麦色に焼けた健康的な肌に魅力を感じる^ようです。太陽の下で輝く日焼けした肌に興奮を覚えることも。
また、「焼けた部分と焼けていない部分のコントラストが好き」という人もいるようです。
▼関連リンク
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□性癖の正しい意味を押さえておこう
「性癖」は「人の性質上の偏り」「癖」といった意味を持つ言葉です。
「性的嗜好」「フェチ」だけを表すと勘違いしていた人は、これを機会に本来の意味を覚えておきましょう。
ただし、「性癖」の正しい意味を知らない相手に突然「私の性癖は……」と言うとびっくりさせてしまう可能性も。
使う相手や場面には気をつけた方が良いかもしれません。
(#にほんご倶楽部)
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