「むべなるかな」とは? 意味や語源、使い方を解説(例文つき)
「むべなるかな」とはどんな言葉か知っていますか? 日常生活ではあまり見聞きしない古語のため、意味を知らない人は多いでしょう。今回は語彙解説記事を多く執筆しているライターのSaiさんに、意味や語源、使い方などを紹介してもらいます。
ニュースで専門家が使ったり、文書などで見たりする機会がある「むべなるかな」という言葉。日常生活で頻繁に使う表現ではないため、どのような言葉なのかよく知らない人は多いでしょう。
今回は「むべなるかな」の意味や語源、使い方を例文つきで解説。
また、「むべなるかな」の類語や英語表現など、言葉をより深く理解するためのポイントも併せて紹介します。
「むべなるかな」の意味や語源
まずは、「むべなるかな」という言葉の意味や語源を確認してみましょう。
辞書によれば、「むべなるかな」の意味は以下のように説明されています。
宜(うべ・むべ)なるかな
もっともであるなあ。その通りであるなあ。「うべ」は「宜」と書き、納得し感心する意味を持つ。(『実用日本語表現辞典』)
「むべなるかな」は漢字では「宜なるかな」と書き、「うべなるかな」と読むこともあります。
物事に納得したり感心したりする気持ちを表す言葉です。
古語「うべなり」が語源
「むべなるかな」は古語「うべなり」を語源とする言葉で、「大和言葉」とも呼ばれています。
平安時代からある古い言葉で、「宜しい」という意味の「うべなり」に詠嘆を意味する終助詞「かな」を付けて使われていたものが、時代の流れと共に「むべなり」に変化していったとされています。
したがって、「うべなるかな」という表記も決して間違いではありません。
「宜」は「物事を肯定する気持ち」を表す
漢字では「宜なるかな」と書く「むべなるかな」。
「宜」という漢字の意味を知ると、「むべなるかな」のニュアンスをさらに深く理解することができます。
「宜」という字は、「あるべきところに落ち着く」という意味合いを含んだ漢字。
このことから「宜なり」は「都合が良い」とか「よろしい」という意味になっており、そこに詠嘆の終助詞「かな」が付くことで、「もっともなことだなあ」と感心する様子を示している言葉が「むべなるかな」なのです。