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フィードバックとは? 意味や役割・効果までわかりやすく解説

上色ゆるり

「フィードバックってどんな意味?」と聞かれて、正しく説明できますか。よく聞く割には詳しく知らないという人のために、今回は、外来語に詳しいライターの上色ゆるりさんに、フィードバックとは何なのかを詳しく解説してもらいました。

「フィードバックをお願いします」「フィードバックしたので確認してください」というように、「フィードバック」はビジネスシーンでよく使われている単語です。

しかし、きちんと意味を知っている人、正しく使えていると自信を持って言える人は、意外と少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、フィードバックとは何なのか、意味を詳しく解説します。

フィードバックのメリットや役割、注意すべきポイントなども紹介しますので、ぜひ仕事に役立ててくださいね。

フィードバックとはどういう意味?

そもそも「フィードバック」とはどのような意味なのでしょうか。

まずは単語の本来の意味や、ビジネスで使う場合の意味について見ていきましょう。

また、似たような言葉で、混同して覚えてしまいがちな「レビュー」との違いについても解説していきます。

フィードバックは「物事の結果に応じて調整すること」

フィードバックとは、「物事の結果に応じて、調整すること」や「感想」「意見」を指します。辞書を引いてみると、以下のように記されています。

フィードバック

物事への反応や結果をみて、改良・調整を加えること。

(『デジタル大辞泉』小学館)

フィードバックの語源は、“食べ物を与える”という意味の「feed」と、“戻す”という意味の「back」を組み合わせた、英単語の「feedback」から来ています。

feedback

(1)<電気・コンピューター>出力の一部が入力側に戻り、出力を調整する操作
(2)<生物・心・社会>ある動作・行為に対する結果や反応
(3)(消費者などからの)反応、意見、声

(『Eゲイト英和辞典』)

英語の「feedback」は、IT用語としての意味も含まれますが、外来語としての「フィードバック」は、結果や反応、意見を指して使われる場合がほとんどです。

ビジネスにおいてのフィードバックとは?

ビジネスシーンで使われる「フィードバック」には、2つの意味があります。

まず1つは、商品やサービスに対する、消費者からの反応、意見、感想という意味。「カスタマーフィードバック」と呼ばれる場合もあります。

もう1つは、人に対する評価、意見という意味。ビジネスでは主に、社員の仕事への姿勢や振る舞いなどに評価することを指します。

レビューとの違いは?

「批評・評論」を指す「レビュー」。フィードバックと意味が少し似ており、混同してしまいやすい言葉の1つです。

2つの単語の違いは、アドバイスや助言が含まれているかどうか。

フィードバックには、改善へと導くアドバイス、助言などの行動が含まれていますが、レビューは単純に感想を述べる、評価するだけといったニュアンスです。

人を教育するには、ただ評価するだけ、感想を述べるだけでは不十分。どのような点を、どのように改善すると良いのかアドバイスする必要があるので、人材育成には、レビューよりフィードバックを取り入れることが多いようです。

フィードバックの種類と具体的な方法は?

フィードバックにはさまざまな種類があります。どのような種類があるのか知っておくと、時と場合に合わせてアドバイスできるようになるので、特に人材育成に役立つでしょう。

それぞれのやり方なども詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、前向きな言葉を使ってフィードバックすることを意味します。

モチベーションを上げたり、自発性を促したりするなどの効果が期待でき、部下や後輩の育成の多く取り入れられている方法です。

具体的には、褒める、相手を肯定する言葉で伝える、などの行動が挙げられます。

自分が言われてうれしいことや、自信につながるようなことを思い浮かべて伝えると良いでしょう。

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックとは、あえて否定的な言葉を使ってフィードバックすること。

自分で考えて行動に移す力を育てる効果が期待されており、リーダーやマネージャーなど、人を引っ張っていく立場にいる人への教育に多く取り入れられています。

ただし、否定的な言葉は相手のやる気をなくしたり、傷つけてしまう可能性もあります。ネガティブフィードバックを行う時は、相手とタイミングを見極め、伝える言葉も慎重に選びましょう。

サンドイッチ型フィードバック

サンドイッチ型フィードバックは、肯定的な言葉から始めて、間に否定的な評価を挟み、最後に肯定的な言葉を伝える手法です。

最初にポジティブなワードで伝えることで、相手に意見を受け入れてもらいやすい雰囲気をつくり出すことができます。そして、最後に再び肯定的に伝えることで、相手に納得してもらいやすくなります。

ただ褒めて肯定するだけでは、相手の成長につながらないこともあるでしょう。しかし、否定ばかりではモチベーションが下がってしまいます。そのような時に役立つ方法です。

ストラテジー型フィードバック

ストラテジー型フィードバックとは、戦略を練ってフィードバックすることを意味ます。

性格や思考の傾向、置かれている状況、過去の経験など相手のことを分析し、最適な伝え方でフィードバックする方法で、より効率よく部下を教育できます。

ただしこの方法は、相手のことをよく理解していないとできません。部下をしっかりと観察し、どのような問題を抱えているのか、どのようなことに喜びを感じているのかきちんと知ろうとする姿勢が大切です。

フィードバックはなぜ重要? 企業における役割と効果

人に対するフィードバックは、業務の一環として多くの企業に取り入れられています。なぜ、そんなにも重要視されているのでしょうか。

ここからは、フィードバックの役割と効果を紹介していきます。

フィードバックの役割は?

上司と部下のコミュニケーションは、組織を運営していく上で欠かせないもの。

特に、仕事の状況やモチベーションについて話し合うことは、会社の目標を達成するためにも、部下を成長させるためにもとても重要です。

その役割を担うのがフィードバック。日々の忙しさで失われてしまいがちなコミュニケーションの場を、意図的に作り出すことができます。

また、業務の状況をお互いに把握する役割もあります。

フィードバックの効果1:人材の成長・育成

 

上司が、部下の仕事をずっと監視し続けることは不可能です。そのため、部下がどれくらい成長しているのか、どのような問題を抱えているのか把握しきれないこともあるでしょう。

フィードバックを定期的に行うことで、部下の状況を改めて確認することができます。評価すべきところや課題点が発見でき、指導の方針を決めやすくなるでしょう。

また、部下自身も自分の状況を確認でき、次に取るべき行動が認識できるのもメリットです。

フィードバックの効果2:モチベーションの向上

日々忙しく仕事をしていると、自分が成長できているかどうか不安になってしまうもの。フィードバックは、そのような仕事に対する自信喪失を防ぐ効果もあります。

以前できなかったことができるようになったと分かれば、部下は、自分の成長をはっきり感じることができます。

また、フィードバックで目標を設定することで、仕事にメリハリがつくようになります。喜びややりがいを感じやすくなり、やる気アップにつながります。

フィードバックの効果3:目標の達成

フィードバックは、個人に対して行うだけでなく、チーム全体に行う時もあります。その場合は、チームとしての目標を達成するのが目的です。

目標達成に向けて適切な行動が取れているかどうか確認し、できていなければ軌道修正もフィードバックで行います。

また、進み具合も把握でき、業務のスピードアップが必要かどうかなども判断しやすくなります。

フィードバックをする際に注意すべきポイント

フィードバックにはさまざまなメリットがありますが、やり方を間違ってしまうと、かえってマイナスの影響を与えてしまうことも。

そこでここからは、フィードバックを行う時の注意点を紹介していきます。

(1)目的や目標と結び付けること

フィードバックを行う時は、目的や目標と結びつけて話すことが大切です。

やみくもにアドバイスしてしまうと、結局何を伝えたいのか分かりにくくなり、相手を混乱させてしまうことがあるからです。

また、改善策を生み出しても的外れになり、その後の行動が無駄になってしまうことも。相手にきちんと理解してもらえるように、そして効率良く成長できるように、目標、目的と結びつけてフィードバックを行いましょう。

(2)具体的に伝えること

相手を褒める時も、指摘する時も、フィードバックは具体的に伝えることがとても重要です。

内容が漠然としていると、何について褒められているのか、何について指摘されているのか、相手は理解できません。

モチベーションアップや、部下を成長させる効果も半減してしまうので、いつ、どのような行動が良かったのか、悪かったのか明確に伝えましょう。

(3)リアルタイムで伝えること

人材育成や評価のために行うフィードバックは、半年に1回、2〜3カ月に1回など、ある程度期間を空けて取り組む場合が多いでしょう。

しかし、日々の業務に対するフィードバックは、なるべく早く、リアルタイムで伝えるのがおすすめ。間を空けてしまうと、相手は自分が取った行動を忘れてしまい、評価されても、指摘されても実感が湧かなくなってしまいます。

また、時間を置くことにより、マイナスの行動がその分長く続くことになってしまうので、すぐに改善してもらうためにも、なるべく迅速に伝えるようにしましょう。

(4)行動可能な範囲の改善策を提案すること

課題点についてフィードバックする際は、不可能なことではなく、相手が実際に行動できる策を提案することが重要です。

目標を設定することはモチベーションアップにつながりますが、無理難題な改善策だと、逆にやる気をなくしてしまいます。

「少し頑張れば手が届きそう、でも不可能ではない」このような改善策を提案することが最も効果的であるといわれています。

適切なフィードバックができる上司・先輩を目指そう

自分に後輩や部下ができることは、誰にでも起こり得るもの。管理職ではなくとも、フィードバックをする機会を与えられることがあるでしょう。

適切なフィードバックができれば、組織の成長につながりますし、周りからも「あの人は教育が上手だ」と信頼してもらえるはず。

頼れる上司、先輩を目指して、ぜひ効果的なフィードバックのやり方を身につけておきましょう。

(上色ゆるり)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年06月22日に公開されたものです

上色ゆるり

アパレル販売員歴8年、元アパレル店長のフリーライター。接客や人材育成で得た経験を元にファッション、美容、ビジネス系コラムを中心に執筆中。 アパレル時代にお客様、スタッフから寄せられた恋愛相談は数多く、恋愛系コラムも得意とする。自信がありそうに見えて実はコンプレックスまみれの為、「少しでも多くの人に自信を持ってもらえるように。」と願いながら、日々文章を書き綴る。

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