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カタルシス効果とは? 意味や仕事・恋愛での活用事例を分かりやすく紹介

秋カヲリ

「カタルシス」とは「浄化」を意味します。カタルシス効果は精神の浄化作用のことで、心のモヤモヤを解放してすっきりさせる状態を指します。心理カウンセラーの秋カヲリさんが、カタルシス効果の意味、ビジネス・恋愛シーンで活用できる事例を解説します。

心理学を用いたカウンセリングでは、患者にアドバイスをするよりも、患者自身がモヤモヤした心をすっきりさせる「カタルシス効果」がよく活用されます。

カタルシス効果は、恋愛や仕事などの日常生活でも活用できるため、効果や使い方を知っておくと自分の感情と付き合いやすくなり、ストレス社会でも生きやすくなります。

今回はカタルシス効果の意味、カタルシス効果が起こるシーンや上手な使い方までを解説します。

カタルシス効果の意味は?

まずは、カタルシス効果の意味について見ていきましょう。

カタルシス効果とは「心のモヤモヤを解放させること」

「カタルシス効果」の「カタルシス」とは、「浄化」のことです。

カタルシス効果とは、精神の浄化作用のことで、心の中にあるモヤモヤを解放してすっきりさせる状態を意味します。

カタルシス効果は、オーストリアの精神科医であるシグムント・フロイトの精神分析療法として活用されるようになりました。

怒りや悲しみなど、ネガティブな感情を自分の心の中で抑え込むと、かえって強いストレスを感じるようになります。

反対に、家族や友人に愚痴として話すなど自由に表現した方がラクになり、立ち直りが早くなるのです。

そのため心理カウンセリングの治療でも患者との信頼関係を構築し、患者が本音や悩みを打ち明けやすい環境をつくることが重視されています。

カタルシス効果はどういう時に起こる?(事例紹介)

カタルシス効果は、カウンセリングの場だけで生まれるものではありません。

日常生活でどういう時にカタルシス効果が起こるのか、具体例を紹介します。

友人に悩みを相談した時

親しい友人に悩みを相談して、つらい感情を打ち明けている時に泣きそうになることはありませんか? これもカタルシス効果の1つです。

自分の悩みを言葉にして出すことで心が浄化されるため、緊張が解けてホッとしたり、自分の本音に気づいてモヤモヤが晴れたりします

芸術に触れて感動した時

音楽や絵画などの芸術に触れて何らかの共感をすると、心が解放されて感動することがあります。思わず涙が出てしまうこともあるでしょう。

これもカタルシス効果の1つです。

芸術は言葉にできない感情を表現する手段でもあり、言葉よりも強く心を動かされるケースも珍しくありません。

カタルシス効果を活用できるシーン【ビジネス・恋愛・人間関係】

意識的にカタルシス効果を使う場合、どのようなシーンで活用できるのでしょうか。

方法やどんな効果があるのかも踏まえて紹介します。

仕事で悩んだ時は「誰かに相談する」

ビジネスシーンでは、課題にぶつかって悩んだり、いらだったりする場面も少なくないでしょう。

どうしたらいいか分からなくなった時、冷静な同僚や上司に相談すれば、カタルシス効果によって頭の中を整理できます。モヤモヤした感情を吐き出すことによって、自分の心や感情を客観視できるようになるのです。

何が問題なのか、自分はどうしたいかなど、これまで気づかなかったことに気づけるようになり、活路が見出せるでしょう。

仕事で強いストレスを感じてイライラしてしまった時にも、誰かに話すだけで心が落ち着くのでおすすめです。

家族や友人・恋人とケンカした時は「紙に書き出す」

家族や友人、恋人とケンカをしてしまって素直になれず、なかなか関係を修復できない時はセルフ・カタルシス効果を発揮しましょう。

自分が今感じている不満や感情を全部紙に書き出してください。

なかなか本音を打ち明けられる人がいなかったり、恥ずかしくて人に言えなかったりする時も、自分しか見ないノートやメモになら気兼ねなく吐き出せるはずです。

それによって自分を客観視できれば、感情の波がおさまって冷静になり、素直に相手と話し合いできるようになるでしょう。

誰かと仲を深めたい時は「相手に共感する」

恋人や友人との人間関係を深めるきっかけとしても、カタルシス効果は活用できます。

ポイントは共感すること。悩んでいる相手の話を聞いて「そうなんだね」「つらかったんだね」と静かに共感し、その人の心の写し鏡になることで、相手はカタルシス効果を感じて心地良くなります。

それによってあなたへの信頼感が増し、より大切な存在に感じられるのです。

より良い関係を築きたい相手には、共感によってカタルシス効果を感じてもらって距離を縮めましょう。

カタルシス効果を用いる上での注意点

カタルシス効果をうまく活用するには注意すべきこともあります。

最後に、押さえておくべき注意点を解説します。

話す時は打ち明ける相手を選ぶこと

自分が心のモヤモヤを話す側になった時は、打ち明ける相手を選ぶのが大事です。

カタルシス効果を得るためには自分の心をオープンにする必要があります。そのため、本音を思い切り吐き出せない相手に話しても、うまくいきません。

それなりに仲が良く、気心知れた相手に打ち明けた方が心も開けるでしょう。

あまり話を聞いてくれない人や一方的なアドバイスをしたがる人よりも、黙って「うんうん」とうなずきながらじっくり聞いてくれる人に話すのがおすすめです。

聞く時は自分の意見を言わないこと

聞く側に回って相手にカタルシス効果を与えるには、^相手が自分自身を客観視できるように「鏡役」に徹するよう心掛けましょう。

間違っても「私はこう思うよ」「こうしたらいいんじゃない?」と、あなたの意見を伝えてはいけません。

相手の発言を肯定したり否定したりせず、ただ受け止めるだけ大丈夫です。

例えば「そうなんだね」と相づちを打ったり、「つらかったんだね」と相手の言葉をオウム返しにしたりして、相手が自分を冷静に客観視できるようサポートしましょう。

カタルシス効果はストレス社会の特効薬

カタルシス効果は、モヤモヤした心をすっきり軽くしてくれるので、ストレスで心が疲弊している人には積極的に利用してほしい作用です。

情報であふれた現代社会では、誰しもが無意識にストレスを抱えがち。抱え込んで心身にトラブルが生まれてしまう前に、カタルシス効果をうまく取り入れて、心を癒やしてあげてくださいね。

(秋カヲリ)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年05月25日に公開されたものです

秋カヲリ (心理カウンセラー)

心理カウンセラー・文筆家・動画クリエイター取材メディア「スター研究所」編集長。
1990年生まれ、都内在住。広告、取材、コラムまで多数執筆。
ベビーシッターを活用してバリバリ働く一児の母。

Webサイト:https://hagitaro1010.wixsite.com/writer
Twitter:https://twitter.com/hagiwriter
note:https://note.mu/hagitaro1010

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