「杞憂」の意味とは? 「杞憂している」が間違いな理由
「杞憂」の類語と違い
「杞憂」と似た言葉には、「危惧」や「懸念」などの言葉が挙げられます。
そこで、「杞憂」とはどのように違うのか、それぞれの言葉の意味や特徴を解説していきます。
「危惧」
「危惧」とは、「危ぶみ恐れること」という意味から「悪い結果になるのではないかと心配すること」を表します。
注意点や改善点を具体的に示す場合に使われており、「指摘したことが実現しないように」と釘を刺す意味にもなります。
また、「良い結果になるように改善して欲しい」という意味がある点では、「杞憂であれば良い」と同じようなニュアンスになります。
例文
・先日の発言に対して、社員が反発することを危惧しています。
・見積もりの甘さを危惧しています。
「懸念」
「懸念」は「不安」や「心配」を表す言葉で、「危惧」よりもやわらかい印象の表現です。
現時点での不安や心配事を表しているため、そのままでは「杞憂」を言い換える時には使うことができません。
「懸念でしたが」というように、否定したり過去形で使うことで「杞憂に終わった」と同じような意味として使えます。
例文
・先が見通せないという点に懸念の声が上がっています。
・結果的に懸念事項をうまく解消できました。
「取り越し苦労」
「取り越し苦労」は「先が見えないことを想像して心配すること」を表す言葉で、「杞憂」にとても近い意味を持っています。
そのため、「取り越し苦労に終わる」など、「杞憂」と同じ表現方法が使えます。
例文
・初日の来客数が不安だったが、取り越し苦労に終わった。
・準備数が足りるか分かりませんでしたが、取り越し苦労でした。
「杞憂」を活用して心配事をやわらかく伝えよう
「杞憂」は、相手を心配している気持ちと、物事がうまく進んで欲しいという、2つの意味を伝える言葉。
そのため、「心配」という言葉を使うよりも、相手に寄り添っている意味合いになります。
一方、慣用句のように「杞憂」を用いた表現は元々決められた言葉を用いる必要があります。
「杞憂する」のような間違った使い方をしないよう、正しく「杞憂」を使用しましょう。
(kirara)
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※この記事は2021年05月20日に公開されたものです