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傾聴とは? 「話を聞くスキル」を高める心理テクニック

浅野寿和(心理カウンセラー)

傾聴の具体的なやり方

傾聴で大切なのは、相手に興味を持って話をよく聞くことです。

相手の話の内容はもちろん、「相手はなぜそういった話をするのだろうか」「相手は何を感じているのだろうか」と、相手の心情にまで興味を持って話を聞くと良いでしょう。

では、具体的な傾聴のやり方を解説していきます。

(1)ペーシング

ペーシングとは、相手の話し方や声のトーンなど、相手と「ペース」を合わせる心理テクニックです。

表情・姿勢・視線・話すテンションなどを意識的に相手と合わせるようにしてみましょう。こうすることで、相手は無意識にあなたに安心感や信頼感を抱くようになります。

ペーシング自体はとても奥深いものですが、日常の中で比較的簡単に取り入れられるペーシングが「相づちを合わせる」です。相手と同じタイミングで頷くと、その速度や深さ、タイミングが合い、自然と話を聞くリズム・速度を合わせることができるようになります。

ペーシングの一種「ミラーリング」とは

ペーシングの一種に、「ミラーリング」というものがあります。ミラーリングのやり方を身につければ、相手に親近感や安心感を持ってもらいやすくなるかもしれません。

参考記事はこちら▼

ミラーリングの意味とやり方を詳しく解説しています。

(2)バックトラッキング(オウム返し)

バックトラッキングとは、オウム返しともいわれる技法です。例えば、「上司に気持ちを分かってほしいんです」という相手の言葉に「上司が気持ちを分かってくれないんですね」と返すようなイメージです。

バックトラッキングの目的は、相手の話をしっかり聞いていることを示すことと、会話に対する理解度をより深めることにあります。

バックトラッキングを意識して会話を進めていくと、自分の話を聞いてもらっている、受け入れられているという安心感を相手に与えることができるでしょう。

(3)パラフレーズ(言い換え・要約)

パラフレーズとは、相手の発言を要約したり、言い換えたりすることです。

例えば、「クライアントからもっと色のトーンを暗くするように指示があったんだけど、なんかしっくりこなくて」という相談に対して、「トーンは明るい方が良いと思っているんだね」と返すイメージです。

これにより、相手と自分の認識のズレを調整することが可能になります。言い換えや要約を使うと、相手の気持ちを整理するようなアプローチにもなりますし、「相手の話をよく聞いている」と示す意味としても効果があります。

次ページ:傾聴力を身につけるために意識すべきこと

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