「ご手配」と「お手配」の違いとは。意味と正しい使い方を解説
「ご手配」の言い換え表現
「ご手配」の類語として「ご準備」「ご用意」「お膳立て」などがあります。この4つの言葉はそれぞれ少しずつ意味が異なります。
お膳立て
「お膳立て」の「膳」とは1人分の食事を載せた台のこと。つまり、食事ができるように料理や食器がすでに並んでいて、支度が整っているという意味です。
「お膳立て」を使った例文
・A氏のお膳立て通りにセミナーが進んだ。
ご用意
「ご用意」とは、ある物事を行うために必要な「物」などを取り揃えることです。つまり、「準備」する範囲が狭いのが特徴です。
「ご用意」を使った例文
・明日のセミナーには、筆記用具をご用意ください。
ご準備
物事がうまく運ぶように、前もって「環境や態勢」までを整えることです。「準備」の範囲は、「用意」より少し広くなります。
「ご準備」を使った例文
・明日のセミナーでの発表に向けて、資料や事前練習などご準備いただいていることと存じます
これらの言い換え表現に対して、「ご手配」はさらに広範囲の連絡や調整を含みます。
相互に代用可能な場面もありますが、細かいニュアンスの違いを知っておくと良いでしょう。
自信を持って「手配」を使いこなして
「手配」は電話やビジネスメールでもよく使う言葉であるにも関わらず、尊敬語・謙譲語・美化語の要素があり、さらに「ご」「お」の両方を接頭語にすることができる、扱いの難しい言葉です。
「ご」「お」の接頭語のつけ方には明確な決まりがなく、例外が多く存在します。だからこそ、実際に使う場面では戸惑うことが多く、その結果失礼な言葉遣いになっていないかと不安になるかもしれません。
使い方を自分の中で整理し、ぜひ納得と自信をもって使いこなしてほしいと思います。
(松岡友子)
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※この記事は2021年04月22日に公開されたものです