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「外出し」だと避妊は失敗する? 妊娠の可能性は? 確実に避妊する方法

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

セックスの時、避妊を考え外出しをしている人もいるかもしれません。しかし、産婦人科医・医学博士の宋美玄先生いわく、外出しでは妊娠の可能性があるのだそう。どれぐらいの確率で妊娠するのでしょうか? また、確実な避妊法とは?

セックスの時、どんな方法で避妊していますか? ピル? それともコンドーム?

「そんなのは使ってない、いつも外出しだけど妊娠しないから問題ない」「彼氏は外出しがうまいから大丈夫」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、それって本当に「大丈夫」なのでしょうか?

宋美玄(産婦人科医・医学博士) (産婦人科医・医学博士)

大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。

主な著書に、ベストセラーとなった『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がある。

一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

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外出しの妊娠確率

「外出し」とは、いわゆる腟外射精のこと。性行為をするとき、コンドームをつけるなどの避妊方法をとらずに腟にペニスを挿入し、射精のタイミングでペニスを引き抜くことで妊娠の確率を下げようという方法です。

しかし、本当にこの方法で避妊ができているのでしょうか。避妊方法ごとに、避妊効果がどれくらいあるのかを調べた数値(パール指数)を確認してみましょう。

パール指数とは、100人の女性がそれぞれの避妊方法を使用した場合、1年間で何人が妊娠するかを示したものです。

避妊をしない場合のパール指数は85、つまり1年間で100人のうちの85人が妊娠します。外出しや腟外射精などの性交中絶法と呼ばれる方法のパール指数は約20 [*1]。

100人中20人ほどは、この方法を行っても妊娠するということになります。外出しの避妊効果は、「確実な避妊方法」と呼ぶには低すぎるといえます。

主な避妊方法と避妊効果

主な避妊方法とその効果を以下にまとめました[*1] [*2]。避妊効果として紹介しているのは、先ほどお話ししたパール指数で、各避妊法を1年間使用した100人の女性のうち、何人が妊娠するかを示したものです。

・経口避妊薬(ピル):0.27
・子宮内避妊システム(IUS):0.1~0.2
・子宮内避妊用具(IUD):0.6~2

・コンドーム:2~15
・リズム法(オギノ式、基礎体温など):1~15
・性交中絶法(腟外射精):約20

・避妊しなかった場合:85

上記の中で最も効果が高いとされるのが子宮内避妊システム(IUS)です。この方法では、1年間で妊娠する女性は100人中0.1~0.2人と、かなりの避妊効果が期待できます。ピルも避妊効果は高く、1年間で妊娠する女性は100人中0.27人とされています。

またこれを見ると、日本で最も多い避妊方法とされるコンドームの避妊効果は、意外と低いことがわかります[*2]。コンドームについては主に性感染症予防を目的とし、避妊のためには別の方法を併用するのが安心なようです。

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