「外出し」だと避妊は失敗する? 妊娠の可能性は? 確実に避妊する方法
確実な避妊方法
ここからは、いろいろな避妊方法のメリット・デメリットについて解説します。
避妊方法にはピルやIUSがおすすめ
現在の日本で使える避妊方法の中で、十分な避妊効果があり、妊娠する力(妊孕性:にんようせい)の維持も可能という点で、飲み薬である経口避妊薬(ピル)や、子宮腔内に装着するIUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)がおすすめです。
また、女性が主体的に避妊できるという点でも、ピルやIUSは良い方法といえます。
ピルのメリット・デメリット
ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが配合された錠剤のことです。低用量ピル、OCという呼び方をすることもあります。
排卵を止める作用があり、飲み続けると避妊以外に子宮体がん、卵巣がんの発生減や子宮内膜症の緩和、月経困難症の軽減にも効果的です。
ただし個人差はありますが、副作用として、服用開始後1~2週間くらいは気持ちの悪さや少量の不正出血などがあったり、血栓症や心筋梗塞などのリスクを伴ったりする場合があります。
IUSのメリット・デメリット
IUSは、特殊な器具を子宮内に挿入し、避妊効果を得る方法です。
器具には女性ホルモンの一種であるプロゲステロン(黄体ホルモン)が染み込ませてあります。それが少しずつ放出されると子宮内膜が厚くならず、避妊効果があるほか、生理が「こないのとほとんど同じ」というほど軽くなります。
副作用としては、挿入時の痛み、不正出血の持続、自然脱出、子宮内感染症、腹腔内迷入などがあります。しかし、血栓症などの全身に影響する副作用がなく、ピルのように毎日服用する必要もないので、合う人にとっては楽かもしれません。
ただし、IUSを挿入するには、数万円という安くない金額がかかります。一度挿入してしまえば5年ほど効果が持続するので、トータルで考えると決して高価というわけではありませんが、最初にある程度まとまった金額がかかるということは覚えておいたほうがよいでしょう。
また、ピルやIUSには避妊効果はあるものの、性感染症の予防効果はありません。そのため、コンドームを併用することをおすすめします。
不妊手術という選択肢もあるけれど……
ピルやIUSよりもさらに確実な効果を得たい場合、不妊手術という選択もあります。これは男性の場合は精管を、女性の場合は卵管を、手術によって切除したり切断したりして、妊孕性をなくす方法です。
ですが不妊手術には「やっぱり子どもがほしい」と思ったときに妊孕性を回復させることが難しいというデメリットがあり、基本的には「生涯子どもを持たない」という固い決意のある人、もしくはすでに出産を終え、これ以上の妊娠を望まない人向けの永続的な方法です。