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花粉で肌荒れが起こる!? ぶつぶつ・かゆみなどの予防と対策

横井彩(皮膚科学会認定専門医・医学博士)

花粉による肌荒れの治し方

花粉症の症状の一つである花粉皮膚炎。その治療は、花粉症そのものの治療を行いながら、同時に皮膚炎の治療を組み合わせるのが基本となります。どのような選択肢があるのか見ていきましょう。

効果的な治療は医療機関で。受診すべきは何科?

最近の花粉症治療では目のかゆみや鼻水といった症状をやわらげる治療だけでなく、体をアレルゲンに慣らすことで花粉に対する免疫反応をやわらげるような治療が行われるようになってきています。ですから、もっとも根本的な治し方は、医療機関で花粉へのアレルギーそのものに対しての治療を受けることだといえます。

花粉症といえば目や鼻の症状が主ですから、受診する診療科も眼科や耳鼻咽喉科のイメージが強いと思います。しかし、皮膚症状を専門に診るのは皮膚科。花粉皮膚炎の場合、どのような先生に相談すればいいのでしょうか。

受診するならアレルギー診療を積極的に行っている医師を

花粉皮膚炎を含めた花粉症はアレルギーの一種ですから、治療にあたってはアレルギーの診療を積極的に行っている医師を受診するのがよいでしょう。

アレルギーに対する専門的な知識と豊富な診察経験を持ち、日本アレルギー学会から「アレルギー専門医」という資格の認定を受けた医師がいますが、アレルギー専門医はそう多くない上に、受診しやすい場所に専門医がいるとは限りません。

アレルギーの診療は耳鼻咽喉科、皮膚科、内科、小児科、眼科と多くの診療科で行いますが、花粉皮膚炎の相談は、やはり皮膚科を受診するほうがよいでしょう。ホームページなどを見て、アレルギー診療を積極的に行っているかどうかをチェックするのも一つの手です。

皮膚科に相談する時には、「お薬手帳」を持っていくなど、これまで受けてきた花粉症の治療について説明できるよう準備しておくと診察がスムーズに進みます。

市販薬も選択肢の一つに

すぐに医療機関を受診することが難しい場合には、市販薬を活用するのも一つの手です。花粉症の治療薬としては「第2世代抗ヒスタミン薬」(飲み薬)が、皮膚炎の治療薬としては「ステロイド外用薬」(塗り薬)があります。

第2世代抗ヒスタミン薬はアレルギーの諸症状(鼻水など)やかゆみを緩和する薬で、ステロイド外用薬は皮膚の炎症を抑える薬です。どちらの薬も店頭で薬剤師などとよく相談した上で選び、症状が改善しない場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

その際には、どの市販薬を使っていたか医師に伝えられるように薬のパッケージやその写真などを準備してから行くのがおすすめです。

※アトピー性皮膚炎による花粉皮膚炎(花粉がアトピー性皮膚炎の症状を悪化させたもの)の場合、はじめから皮膚科の医師に相談したほうがよいでしょう。

花粉対策やスキンケアなどの予防策は治療中も必須

治療をしているあいだも、皮膚に花粉が付着する機会を減らす、肌の健康維持につとめるなど、花粉が皮膚のバリア機能をすり抜けることがないよう気を配りたいところです。皮膚のバリア機能が低下した状態で花粉との接触を繰り返していれば、どんなに薬で症状をやわらげても解決になりません。

次の項目で紹介する予防策は花粉症・花粉皮膚炎の治療中にとってもたいへん有用なことなので、ぜひご活用ください。

次ページ:花粉による肌荒れを悪化させないための予防法

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