花粉で肌荒れが起こる!? ぶつぶつ・かゆみなどの予防と対策
花粉皮膚炎になりやすくなる3つの要因
花粉皮膚炎は、皮膚の内部まで侵入した花粉へのアレルギー反応で起こると考えられています。
本来であれば、花粉は皮膚の外側にある角層のバリア機能にはばまれて体の内部まで入り込むことができません。しかし、何らかの理由でそのバリア機能が低下していると、花粉がそこをすり抜けて内部に侵入し、アレルギー反応を起こしやすくなります。
では、なぜ皮膚の持つバリア機能は低下してしまうのでしょうか。
(1)皮膚へ加えられるさまざまな“刺激”
スキンケアやメイク時に加わる摩擦、髪の毛の先端の接触、洗浄料や化粧品の成分など、日常生活のなかで、皮膚にはさまざまな刺激が加え続けられています。こうした物理的・化学的な刺激は皮膚を傷つけ、皮膚のバリア機能を低下させてしまうことがあるのです。
また、花粉症では目や鼻の症状に関連してつい加えてしまう皮膚への刺激にも注意したいところです。ムズムズしてたまらないからといって、頻繁に鼻をかんだり、目を強くこすったりすると、その刺激が皮膚のバリア機能をさらに低下させてしまうことになりかねません。
(2)顔や体の“洗いすぎ”
顔や体の洗いすぎには注意が必要です。ボディソープなどに含まれる界面活性剤は、その成分によっては、また洗う時間が長いほど、皮脂(皮膚にある脂腺から分泌される油脂)や、皮膚の外側近くにある細胞の隙間を満たしている脂質(セラミドなど)を過剰に洗い落とすことがあります。
これらを洗い落としすぎると、皮膚がもともと持っている保湿能力が弱まり、肌の乾燥を招くのです。必要な水分を保てなくなった皮膚は正常な機能がさらに低下し、皮膚のバリア機能が損なわれてしまうのです。
(3)季節的に起こりやすい肌の“乾燥”
花粉症といえば春のスギ花粉やヒノキ花粉が有名ですが、秋にもブタクサ花粉などがあるので気が抜けません。同時に、春・秋は冬の前後ということもあって空気が乾燥しがちです。肌から水分が奪われ、皮膚のバリア機能が低下しやすい季節なので注意が必要です。
また、気温が低い日は汗をかく量が少なくなります。適度な汗は皮膚に水分を補給する役割も担っているため、汗をかく量が極端に少ないとその水分供給が追いつかずに乾燥し、皮膚のバリア機能の低下が起こりやすくなるのです。秋から春にかけての気温が低いシーズンには気をつけたいものです。