ユリ(百合)の花言葉は? 特徴や色・種類別の花言葉を紹介
華やかで贈り物としても人気なユリ(百合)の花。美しい花なので、誕生日や結婚祝いなどに花束としてプレゼントすると喜ばれますよね。そんなユリですが、色によっては少し注意が必要な花言葉もあるということを知っていますか? 今回は、そんなユリの花言葉を色別にひも解いていきます。
純白、巨大輪、芳香の三拍子そろった花として人気の高いユリ。
大きな花や蕾は存在感があり、独特の香りも印象深く、花束になっても迫力ある花です。
そんな美しく贈り物としても人気の高いユリですが、実は赤やピンク、クロユリなどはちょっと注意が必要な花言葉もあります。
今回は、色ごとで違うユリの花言葉をまとめたので参考にしてみてください。
ユリ(百合)ってどんな植物?
まずはユリの基本的な情報から見ていきましょう。
ユリ全般の花言葉と由来
ユリ自体には「純粋」や「無垢」、「威厳」などのイメージにぴったりの花言葉が付いています。
ギリシャ神話ではゼウスの妻ヘラの地上に落ちた乳がユリとなったという伝説もあり、聖なる母と結び付きの強い特別な花です。
百合(ゆり)の名前の由来と英語名
百合(ゆり)という名前の由来は、花が風に吹かれてゆらゆらと身を揺らす様子から「揺すり」と呼ばれ、それが転じて「ゆり」となったという説があります。
また、ユリの英語名は「Lily(リリー)」です。
ユリの特徴
ユリの分類はユリ科ユリ属で、原産地は北半球の亜熱帯~亜寒帯。日本にも多くのユリが自生しています。
野生で咲くユリの開花期は、5月~8月頃。花色は白・オレンジ・赤・黄・ピンクなど豊富で、花の香りが強く、花粉が付くとなかなか取れないのも特徴的です。
種類・品種とその花言葉
日本に多く自生もしているユリの原産地は、日本や中国、台湾など種類によって異なります。
日本に自生するユリを、江戸時代に長崎に滞在したオランダの陸軍軍医・シーボルトがヨーロッパに持ち帰ったことから、ヨーロッパでも人気に火がつき、古くから紋章や装飾や芸術作品のモチーフとしてもよく取り上げられているそう。
カサブランカ「自尊心」
ユリの中でも花屋などで扱われることの多いカサブランカは、ヨーロッパで配合されたオリエンタル・ハイブリットと呼ばれる種類で、通年買い求めることができます。
初夏~夏に開花し、純白・巨大輪・芳香であるため、贈り物としても人気です。
テッポウユリ(鉄砲百合)「純潔」
英名はイースターリリー(Easter lily)。
種子島や屋久島、沖縄などに自生する白いユリで、爽やかな香りが特徴。
花名は、花の形がラッパ銃(ブランダーバス)の銃口と似ていることから付けられました。
白く清らかな花姿から「純潔」という花言葉が付けられ、イースターをはじめとした宗教的儀式には欠かせない花となっているようです。
ササユリ「上品」
ササユリ(笹百合)は、日本原産の花。葉が笹に似ていることが由来して名付けられたといわれています。
品種が多いユリの中でも華憐なササユリには、「上品」という花言葉が付けられています。
カノコユリ「慈悲深い」
カノコユリ(鹿ノ子百合)は、四国南部や九州西部を中心に、台湾や中国南東部まで分布しています。
花名の由来は、花にある紅色の斑点模様が、鹿の背中にある模様に似ていることから名付けられました。
また、カノコユリの学名「speciosum」には「美しい」という意味があるそうです。
スカシユリ「偽り」
海岸の岩場や砂地に咲き、草丈は30~60cmほど。
上を向いて咲くため、花びらの間に隙間ができることから付けられたのが「スカシユリ(透かし百合)」という名前の由来です。
ユリが誕生花なのはいつ? 誕生日のお祝いに
ユリの誕生花は、品種によっても異なります。
その一例としては、以下の通りです。
・カサブランカ:12月21日
・テッポウユリ(鉄砲百合):7月20日
・スカシユリ:7月27日
色別にひも解くユリの花言葉
人気の高いユリの花ですが、色によってネガティブなものや怖い花言葉を持つことも。
ここからは色ごとの花言葉を紹介していきます。
白いユリは「純潔」「威厳」
キリスト教では白ユリを「マドンナ・リリー」と呼び、聖母マリアを象徴する花としています。花言葉もこの聖母のイメージから来たものです。
美しく凛とした白いユリは、お祝いしたい人に贈るのにもぴったり。ユリの花束だけでも十分存在感が出ます。
花束を贈るなら、「純潔」や「相思相愛」、「尊敬」の花言葉を持つ白の薔薇、「知的な魅力」の花言葉を持つブバリアを組み合せてもすてきですね。
お祝いしたい人へ贈るのにぴったりな花については、こちらの記事もチェック。
赤とピンクのユリは「虚栄心」
この花言葉は、キリストが十字架に架けられる時に他の花が首をもたげたのに対し、ユリだけが頭を上げていたところ、キリストに見つめられ、自分が思い上がっていたことに気付き、赤くなったという逸話から来ています。
そんな少しネガティブな背景がある花言葉の赤やピンクのユリですが、花自体はとてもきれいです。
その場を華やかにしたい時などは、花束にして、ユリ本来が持つ花言葉「純粋」や「威厳」などの言葉を伝えて渡してもいいですね。
「栄光」や「勇敢」の花言葉を持つグロリオサ、「情熱」の花言葉を持つオレンジのカーネーションや「感謝の心」の花言葉を持つピンクのカーネーションをあしらっても、とても温かく華やかな花束になりそうです。
感謝したい人へ贈るのにぴったりな花については、こちらの記事もチェック。
黄色のユリ「偽り」「陽気」
「陽気」の花言葉はイメージ通りですが、「偽り」の花言葉もあります。
ローマ帝国時代、キリスト教を弾圧してきた皇帝のカラーであった黄色い花にはネガティブな花言葉が付けられる傾向にありました。
ユリも、聖母マリアと結び付きが強い点から、この花言葉があるのかもしれません。
「前向き」や「希望」の花言葉を持ち、どの色もポジティブな意味を持つガーベラをあしらって、陽気で明るい花束にしてみてはどうでしょう。
ポジティブな意味合いを込めて贈りたい。そんな時にぴったりな花については、こちらの記事もチェック。
オレンジ色のユリ「華麗」「軽率」
大きく迫力のあるオレンジのユリにぴったりの花言葉ですね。こちらも黄色と色味が近いからか、ネガティブな花言葉もあります。
ただ、優しいオレンジ色は花束にしても映えます。
「優美」や「気品」の花言葉を持つモカラや「永遠の幸福」の花言葉をもつクラスペディアなどと合わせて、敬愛を込めた花束を贈ってみてはどうでしょうか。
日頃お世話になっている人へ花を贈りたい。そんな時にぴったりな花については、こちらの記事でチェック。
黒いユリ(クロユリ)「呪い」
クロユリとは、上記で紹介してきたユリ科リリウム属のユリとは異なり、ユリ科バイモ属という別の種類の高山植物です。
「呪い」の他にも「恋の呪い」など、ちょっと怖さを感じさせる花言葉のあるクロユリ。
その由来は、武将・佐々成政に殺された愛人が絶命する際に言った「立山にクロユリが咲く頃に、佐々家は滅ぶ」という言葉からきているそう。
その後、実際に佐々家が滅んだという、まさに花言葉通りの伝説があります。
北海道ではよく見かける花で、アイヌでは好きな人のそばにクロユリを置き、相手が気付いいてその花を取ると二人は必ず結ばれるといわれるなど、ポジティブなジンクスもあるそう。
怖い花言葉を持つ花は他にもある?
クロユリの他にも、怖い花言葉を持つ花があります。
花に意味を込めて贈りたい場合には、選んだ花に怖い意味合いがないかどうか事前に確認しておくといいかもしれません。
渡す時に意味を知らないと怖い花言葉を紹介します。
青・紫のユリの花言葉はある?
近年の品種改良により、青いユリが開発されました。
しかしまだ一般には出回っていないことからも、花言葉は付けられていません。
また、紫のユリも同様に花言葉はありません。
ユリを贈る際には心配りも大切
その場が一気に華やぐ、存在感のあるユリは、お祝いや贈り物にぴったりです。
ただ、同時に花の香りが強く、花粉は一度付くとなかなか取れないなどの特徴もあります。
香りが強いので、お見舞いで病院に行く時は避ける、花粉はお花屋さんで取ってもらっておくなど、贈る時にちょっとした配慮ができるとより喜んでもらえるはずですよ。
(さかもとみき)
※画像はイメージです
※この記事は2020年10月30日に公開されたものです