失恋から立ち直る方法は? 心理カウンセラーが教える7つの方法
失恋からの立ち直り方とは? 心理学を応用した方法7選
では、執着心を手放して失恋から立ち直るには、どのような方法が効果的なのでしょうか。
ここからは、失恋から立ち直る方法を7つ紹介します。
(1)「忘れよう」「考えないようにしよう」と思うのをやめる
1つ目の方法は、「忘れよう」と思ったり「考えないようにしよう」と思ったりするのをやめることです。
人は、忘れようとすればするほど思い出し、考えないようにと思えば思うほど考えてしまいます。これは、専門用語で「皮肉過程理論」と呼ばれる心理が働くからです。
そこでおすすめなのが、元カレとの別れについて思い出したときに、すかさず別のことを考え始めること。
例えば、
・「今日の夜は何を食べようかな?」
・「最後に○○(友達)と連絡を取ったのは、いつだっけ?」
・「この前のドラマ面白かったな~」
など、失恋とは全く別のことを意図的に考え始めれば、彼に向き始めた意識を自然とそらせます。
(2)振られた理由を考えない
次に紹介するのは、失恋の理由を考えない方法です。
恋に落ちるのと同じで、失恋には特に理由がない場合もあれば、理由が1つだけではない場合もあります。
厄介なのは、理由を相手が教えてくれなかった場合や、伝えられた理由に納得がいかなかった場合です。「本当の理由は何だったのか……?」そう思い、悩んでしまう人は少なくありません。
ただ、失恋の理由を追い求めるのは、つまり執着しているのと同じこと。
あなたを振った本人ですら、理由を言葉で説明できない可能性があります。にもかかわらずあなたが1人で考え続けたところで、おそらく本当の理由にはたどり着けないでしょう。
失恋から早く立ち直りたいなら、もっと前向きで有意義な時間の使い方をおすすめします。
(3)つらい気持ちをそのまま吐き出す
3つ目の方法は、つらい気持ちを全部そのまま吐き出すことです。
失恋から早く立ち直りたいからと、自分の気持ちにふたをする人は少なくありません。中には、自分の気持ちをごまかすために新しい出会いを探そうとする人もいるのでは?
ですが、
・「悲しい」
・「つらい」
・「苦しい」
などのマイナスな気持ちは、しまおうとするよりも吐き出した方が早く解消できます。
例えば、日記に書いたり人に話したりすると気持ちの整理ができ、だんだんスッキリしてくるのです。こういった方法を、心理学用語では「エモーショナル・ディスクロージャー」といいます。
ポイントは、なるべく細かく吐き出すこと。
・どのようにして別れたのか
・本当はどうなりたかったのか
・彼に何と言われて、あなたは何と返したのか
など、そのときに思い出したことや感じたことなどを細かく説明するように吐き出すのです。
こうしていろんな記憶や感情を吐き出すうちに、自分でも見えていなかった自分の気持ちに気付けたり、事実を受け止められるようになったりします。
そして、泣きたいときは泣きましょう。
泣きたくても泣けないときは、感動しそうな映画やドラマ、マンガなどに頼るのも◎。とにかく自分の気持ちや感情を、思ったままに全て吐き出すことが大切です。
エモーショナル・ディスクロージャーは、失恋だけでなく、つらい気持ちや悲しい気持ちを抱えたときならどんな場面にも役立ちます。気分の落ち込む日が続いたときは、ぜひ試してみてください。
(4)同じ経験をした人と話す
同じ経験をした人と話すのも、失恋から立ち直る良い方法です。
自分の経験と似た経験を持つ相手とお互いの話をし合うことで、つらい記憶や悲しい気持ちが少しずつ薄まっていきます。
これは、「PTSD(※)」の症状を持つ人たちに対して海外の某大学が実施した心理実験でも、効果が立証されている方法です。
※PTSD……心的外傷後ストレス障害
失恋から1日でも早く立ち直りたい人は、あなたと同じ体験をした人がいないか、ぜひ探してみてくださいね。
(5)現実を受け入れる
続いて紹介するのは、現実を受け入れる方法です。
言い方を変えれば、“諦める”ともいえます。
先ほどもお伝えしたように、いつまでも失恋を引きずってしまうのは何かしらに対する執着心があるからです。執着心を抱き続ける理由にもいろいろありますが、最も大きいのは「もしかしたら……」と期待する気持ちを持っていることだと考えられます。
「もしかしたら彼の気が変わるかもしれない」と思ったり、「私が変わればもう一度やり直せるかもしれない」と思ったりしているうちは、どんなに諦めようと思っても諦めきれないものです。
そんなときに必要なのが、現実をしっかりと受け入れること。そして「もしかしたら……」と期待する気持ちを、バッサリと切り捨てることです。
“諦める”という言葉にネガティブな印象を抱く人も、いるかもしれません。しかし、失恋を乗り越えて前向きな気持ちを取り戻すには、このステップが必要不可欠です。
自分だけでは難しいなら、
・友達
・家族
・カウンセラー
などに手伝ってもらうのもいいでしょう。
失恋した相手に期待する気持ちがあるなら、ぜひ今日から前向きに取り組んでみてください。
(6)恋愛以外で心から楽しめることを見つける
心から楽しめることを見つけるのも、失恋から立ち直るには効果的な方法です。
失恋を乗り越えるには、時間がかかります。いくら早く乗り越えようとしても、心と頭を整理するには時間がかかるのです。
そこでおすすめなのが、あえて問題を放置すること。失恋に関することを思い出したときは感傷に浸っても、それ以外のときは何か別のことを楽しむのです。
新しい趣味を作るもよし、何かの勉強を始めるもよし。とにかく時間を忘れて没頭できることを、何か1つ探してみてください。
失恋にとらわれていた心は、時間がたつにつれてきっと解放されるでしょう。
心の問題を時間が解決してくれるケースは少なくありません。時間を忘れて没頭できることがないか、あなたもぜひ探してみてくださいね。
(7)失恋を「必要なことだった」と捉える
最後に紹介するのは、失恋を必要な経験だったと捉える方法です。
人は、痛みを知ることで優しくなれます。また、失敗をしたからこそ同じ失敗を避けられるとも考えられるでしょう。
予期せぬ失恋に、あなたは傷ついたかもしれません。
しかし、しばらく立ち直れないほど落ち込んだのは、あなたが本気で人を好きになった証拠です。そして、本気で人を好きになれたことを考えれば、それだけで十分に意味のある恋だったといえるのではないでしょうか。
今はまだ、つらい気持ちから抜け出せずにいるかもしれません。
ですが、この失恋を乗り越えたあかつきには、きっとあなたは一回りも二回りも成長できているはず。むしろ、あなたの成長には必要な失恋だったともいえるでしょう。
この失恋を「必要なことだった」と思えるよう、ぜひ前向きな捉え方にトライしてみてくださいね。
▶次のページでは、男性の場合・女性の場合・片思いの場合など、失恋からの立ち直り方をケース別に紹介します。