「人間関係に疲れる」そう思ったあなたを救う方法
人間関係に疲れてしまう原因
人間関係に疲れてしまうのは、相手に振り回されているからだと説明しましたが、ではどうして振り回されてしまうのでしょうか? 主な原因として、次の3つが考えられます。
(1)価値観を押し付けられている
人はそれぞれ固有の価値観を持っていて、その価値観に従って物事を考え、行動します。
例えば、何かを買う際「質より量だ」という価値観を持っている人は、とにかく安価なものをたくさん買い込みますが、「量より質だ」という価値観の人は、価格よりも品質を重視します。
そして、人は得てして自分の価値観を他人にも強要してしまいます。
「何でそんなに高いものを買うの? お金がもったいないじゃん!」「いやいや、安物買いの銭失いっていうでしょ? 高くても高品質な方がいいのよ!」
このように、価値観とは自分が信じて疑わない考え方ですので、他人も同じように考えて当然だと思ってしまうのは、仕方がないことだといえます。
異なる価値観の人同士が一緒に何かをするとき、立場が弱い人や穏やかな性格の人は、どうしても相手の主張に押し切られてしまいがちです。その結果、相手の価値観で物事が進むことになり、相手に振り回されてしまうことになるのです。
(2)相手の能力を過信している
注意しても直らない、いくら教えても覚えないといったとき、冷静に考えてみてほしいことがあります。それをできるだけの十分な能力を、相手は本当に持っているのでしょうか?
数字が得意な人もいれば不得意な人もいますが、数字が苦手な人にエクセルの関数の使い方を教えても、ちゃんと理解できなかったりします。
つまり、相手の能力を考慮せず、「これくらいは理解できるだろう」「これは簡単にできるだろう」という前提で接してしまっていると、相手ができないときに、「どうしてこんなこともできないのだろうか?」と思ってしまうことが起きるのです。
同じように、「これくらいは、きっと自発的にやってくれるだろう」と相手に期待するのも、本当にその期待を持ってもいいのかどうか、考えなければなりません。
相手の実際の能力以上のことを期待するのは、その人の能力を過信しているともいえます。過信しているために、「どうしてちゃんとやってくれないのだろう?」と悩み、相手に振り回されてしまうことになるのです。
(3)コミュニケーションスキルが不足している
相手にこうしてほしいと思っているのに、なかなかその通りになっていないとしたら、うまく意思疎通が取れていない可能性があります。自分の考えが相手にしっかり届いていない、ということです。
もちろん、言いにくい相手、言っても聞いてくれない相手もいるでしょう。しかし、どんな相手であっても、確実に届く適切な伝え方があるものです。
人間関係がこじれる原因のほとんどは、コミュニケーションに問題があります。逆をいえば、コミュニケーションを工夫することで、人間関係は改善できるのです。そういう意味では、相手に振り回されている原因は、コミュニケーションがうまくいってないからだといえます。
なぜコミュニケーションがうまくいっていないかというと、コミュニケーションスキルが不足しているためです。残念ながら、効果的なコミュニケーションの方法をほとんどの人がしっかり学んでいません。学ぶ機会が少ないので仕方がないのですが、だからこそ他人に振り回されてしまうことが起きてしまうのです。