生理中にセックスしたらダメ? 妊娠しないって本当? 想定されるリスクとは
生理中のセックスがあまりおすすめできない理由
ここまでで、生理中でも無防備なセックスでは妊娠する可能性があるということを紹介しました。このほかにも、生理中のセックスにはあまりおすすめできない理由があります。
生理中は普段よりも体がデリケート。そんな状態でセックスをするとどんな影響があるのか、自分の体を守るためにも、正しく理解しておきましょう。
細菌やウイルスなどに感染しやすくなる
そもそも性行為自体が、感染リスクの高い行為なのですが、生理中のセックスは、血液と接触することになるため、HIVやその他の性感染症に感染するリスクがより高まります。血液を介して感染するC型肝炎などのリスクも高くなります。
セックスによって月経血が子宮内や卵管に逆流することで、細菌やウイルスがお腹のなかに拡散されやすくもなります。
感染から自身はもちろんパートナーの体を守るためにも、生理中のセックスは控えるのがベター。どうしてもセックスをしたい場合には必ずコンドームを使用するようにしましょう。

30代になったら、カラダのメンテナンスをすることは常識です。必ずしてほしいことを3つを紹介します。
性感染症とは?
おもにセックスでうつる病気のこと。梅毒、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症などがあり、HIV感染症のもその一つです。口や喉、肛門から感染することもあります。
すでに性感染症を持っていることが明らかな場合には、互いに安全な方法を考える必要があるでしょう。最初から最後までコンドームを正しく使うようにすると、感染のリスクを減らすことができます。

彼氏としかセックスをしていないのに、性病にかかってしまうことがあります。性病にかかる原因と彼氏への上手な伝え方について解説します。
子宮内膜症のリスクを上げる可能性も
子宮内膜症は、子宮内膜組織が、子宮以外の場所で増殖・はがれるを繰り返す病気。生理中のセックスは、「子宮内膜症のリスクを上げる可能性が理論上ありえる」といわれています。
子宮内膜症は、卵管を逆流して、子宮の外(腹腔)にもれ出た月経血(子宮内膜組織)が子宮の裏側などにくっつき、増殖することで起こるとされていますが、生理中にセックスをすることで、その逆流を促してしまう可能性があるのです。
子宮内膜症になると、子宮内膜以外の場所で増殖した組織が生理の時に子宮内膜と同様にはがれて出血を起こします。
それが、お腹の中に溜まって周囲の組織と癒着するなどのトラブルを起こします。その結果、生理痛や不正出血、過多月経が見られたり、不妊の原因になったりします。
互いを思いやり、安全な時期にセックスを楽しむようにしたいですね。
生理中の不調でそれどころではない/痛みの悪化も
生理中は子宮内膜がはがれ落ちている時期にあたり、腟や子宮内部は軟らかく傷つきやすい状態になります。
また、骨盤内の臓器が充血して神経が圧迫されることで、下腹部の重だるさ・痛みや腰痛があることも。そのため、いつもよりセックスで痛みを感じやすくなる人もいるかもしれません。
また、頻尿、便秘や下痢、乳房の腫れや痛みのほか、疲れ、頭痛、めまい、吐き気、眠気などもよくある症状で、生理中には40~60%の女性がこうした不快な症状を感じていると言われています[*2]。
相手が求めてきても負担に思うときには、「ノー」と言えることも大切です。
生理中はできるだけ無理をしないで
このように生理中でも無防備なセックスには、妊娠の可能性があります。また、感染症や子宮内膜症のリスクも高まります。
パートナーとのスキンシップも大切ですが、生理中は体をいたわることを第一に考えて過ごしたいですね。
もし、どうしても生理中にセックスがしたくなったら、出血の多い日は避けて必ずコンドームを使うことを心がけて。
生理が不規則で把握できず、デートで困ることが多いなら、低用量ピルなどで生理周期をコントロールするのも一つの方法です。低用量ピルは婦人科で処方してもらえますよ。
互いの体を思いやり、無理のないセックスを心がけましょう。
(文:及川夕子/監修:宋美玄先生)
※写真はイメージです
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
参考文献
[*1]アメリカ産科婦人科学会 Fertility Awareness-Based Methods of Family Planning
https://www.acog.org/Patients/FAQs/Fertility-Awareness-Based-Methods-of-Family-Planning?IsMobileSet=false
[*2]NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版, p31, 医歯薬出版, 2004.
※この記事は2020年02月18日に公開されたものです