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「天才」の特徴と正体。天才になる方法とは

尾池哲郎(工学博士)

今からでも天才になれる?

ということは、そのとびきりの風景にさえ会うことができれば、私たちにもすばらしい「創造性」「好奇心」「集中力」が芽生え、天才になれるのかもしれません。

とにかくそのとびきりの風景を見てしまうまではインディ・ジョーンズのように片っ端から冒険すればいいのではないでしょうか。そこにしつこさは必要であっても、才能はあまり関係なさそうだから、誰でも参加できそうです。

唯一気がかりなのは、やはり過去の尺度を持ち出して、既存の常識であれこれ評価したがるシステムの存在です。特に小学校の通信簿は、次のような注意書きが必要かもしれません。

「成績は一部の才能を測っているにすぎません。深刻に受け止めすぎると健康を害する恐れがあります。未知の才能については各自、探索を怠らないように」

これまでの天才が教えてくれるのは、その天才の入り口となる風景は無限にあるということです。天才が見ている風景は、過去の常識にも、既存の物差しにもとらわれません。つまり自分にとっての天才の入り口は、思っているよりもたくさんあるということです。

前に進まないから見つからないだけで、進んでみると無数に転がっているはずです。

生物の能力は想像以上にはるかに膨大。それに比べて私たちが勉強している内容はあまりに狭く、スポーツが教えてくれる身体能力も、私たちが生まれ持っている可能性からすればあまりに狭い。

様々なことを経験し続け、いつか目の前に誰も見たことのない風景が広がったとして、とてつもない集中力が込み上げてきたとしたら、それは天才への入り口に立ったということかもしれません。

そうだとしたら、鳥肌が立つはずです。

私はいつか必ず、そこに立ってみたい。

(尾池哲郎)

※画像はイメージです

※この記事は2019年12月18日に公開されたものです

尾池哲郎(工学博士)

1972年生まれ。九州工業大学卒。工学博士、FILTOM研究所長、FLOWRATE代表。

2007年、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞。2009年、PD膜分離技術開発に参画。2014年、北九州学術研究都市にてFILTOM設立し、2018年には常温常圧海水淡水化技術開発のためFLOWRATE.org設立。女性の美をテーマに、化粧品の開発を手がける。

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