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セックスレスが辛い理由や対処法とは? カップル間でセックスがなくなる原因

森林原人

カップル間のセックスレスはなぜ生まれるのか。また、そのセックスレスがなぜこんなにも辛いのか。AV男優で執筆活動を行う森林原人さんがセックスレスの定義と原因を解説。「セックスレスが辛い」と悩む人たちへ、4つの対処法を提案します。

皆さん知っていましたか? セックスレスって、贅沢な悩みなんですって。

「年齢=恋人いない歴」の人たち向けに講義をするしたときに参加者から言われたんです。「セックスレスって、とりあえず付き合っている相手がいるってことですよね。誰とも付き合ったことない僕たちからすると、セックスがなくたって相手がいるだけマシですよ」と。

確かにその通りだなと思いましたが、セックスレスの辛さもそれなりに知っているつもりなので、セックスレスで悩む人に「マシなほうなんだから悩む必要ないよ」とは言えません。

セックスレスの人と、恋人がいない人で感じている辛さは別物です。

哲学者の國分功一郎さんが、孤独と寂しさは違うと言っていました。孤独とは“自分が自分自身と一緒にいること”であり、“自分自身と一緒にいることができず他人と一緒にいることを求めてしまう人が感じるのが寂しさ”で、寂しさを感じないでいられる人はいないと。

きっとセックスレスで悩む人が感じている辛さは「寂しさ」です。

贅沢でもマシでもなんでもなくて、当たり前に辛いことなのです。セックスレスは寂しくて辛いということを大前提にしながら書き進めていきます。

そもそも「セックスレス」の定義とは?

一般的には、付き合っている相手がいるのにある程度の長期間、セックスがないことをセックスレスと呼びます。相手がおらずセックスから遠ざかっている人は、セックスレスではなく“セックスしていない”というのが正確です。

当たり前にセックスする恋人と「1カ月以上しない状態」

より具体的に、僕なりのセックスレスの定義を説明するなら「日常的にセックスを当たり前にしていたカップルが、一緒に過ごす時間があり、セックスの機会を作ることだってできたにもかかわらず、1カ月以上セックスしない状態」のことです。

初めからセックスがないカップル、例えば中学生カップルや性欲のない者(アセクシャル)同士のカップルがセックスをしなくても、セックスレスとはいいません。この場合、セックス以前、セックス不要が正確です。

ここで考えていきたいのは、以前だったらセックスしていた2人が付き合っているままなのにセックスしなくなったから、過去の状態と比べ寂しさが増すケースです。

参考記事はこちら▼

セックスレスに悩む人の基本の教科書として、役立つ情報がないかチェックしてみてください。

なぜカップル間のセックスレスは生まれるのか

当たり前にセックスしていた2人がセックスしなくなってしまうには、いくつかの理由があります。

理由1:関心の欠如

身も蓋もない言い方をするなら、「(相手に)飽きる」ということです。

セックスする動機のひとつに好奇心があります。裸を見たいとか、性的なことをしてみたいとか、性的なことをしたときの相手の変化を知りたいといった好奇心が、セックスに駆り立てます。

付き合いたてカップルのセックス頻度が多いのは、好奇心が尽きていないからです。

ですが、回数を重ねていくと、裸も見慣れるし、セックスも当たり前になるし、相手の反応も予想がつくようになります。当然ながらそこに新鮮さはなく、刺激的でなくなるから好奇心も落ち着きます。

飽きるという言葉には、ポイ捨て的な投げやり感が漂いますが、好奇心の仕組みからすれば仕方がない変化です。飽きる本人も、飽きられる相手も悪くなく、どちらか一方に原因があるわけではありません。

理由2:感情と関係性の変化

付き合う時間が積み重なると、それに伴い感情が変化します。多くの場合は、相手の好意が、激しいものから穏やかなものになり、2人の関係性に対しては“不安から安心”に変わっていきます。

セックスをすることで、相手を自分のものにしたいという支配欲や独占欲が満たされることが往々にしてあるのですが、感情が変化すると、セックスをしなくてもそれらが満たされた状態でいることができるようになります。

セックスをしなくても2人の関係が揺るがないと安心できる状態は、絆が確かなものになったということです。

そうなると、セックスという非日常的で、心身ともに負荷が伴う場合が多い行為を面倒くさいと考えるようになるのも自然な流れです。

またセックスを共同作業と考えた場合、共に子育てやペットの世話に取り組んだり、共通の趣味を楽しんだり、それらが代替えになることもあるわけです。

理由3:老い

男性器のセックス機能の衰えは、この数十年で早まっている気がします。

以前は40の壁、50の崖といった感じでしたが、最近の男性から聞くと、30の壁や25の崖といった人も増えているようです。

これは、さまざまな社会的状況からストレスやプレッシャーが増しているのと、そもそもの本能が成熟していないので性欲がしっかりと育っていないという背景が考えられます。

そうなると、当然の結果として、ヤリたい盛りがアッという間に終了します。もしかしたらヤリたい盛りが一度も来ない男性もかなりいるかもしれません。

医学が進歩して寿命が伸び、老いるのが遅くなったといわれる一方で、老いるにはまだ早すぎる年代で上がってしまっている者がいるという性欲の格差社会が生まれているのです。

でもこの現状を個別に掘り下げていくと、セックスをしたいという欲求をほかのことで満たしている人が増えていて、娯楽の選択肢が多様化した社会になっただけであったりします。アニメやアイドルに注がれる情熱やSNSの充実が、性欲の代わりになっているという仮定です。

古典的な性欲は干上がっていても、新時代の欲望が生まれているので、欲望の総量としてはそんなに変わらないのではないかと考えられます。

理由4:「セックスしなくていい」という価値観の誕生

付き合っている2人はセックスするもんだというのが当たり前の時代がありました。

それが、いろいろなセクシャリティのあり方が認知されるようになると、付き合う=セックスする、と単純に考えることができなくなりました。

また、性的同意の観点からいっても、付き合っているからセックスして当然だという考え方は危険です。カップル間の性暴力を生み出す土壌になります。

加えて、“性欲が男らしさを示す”というのも固定観念にありがちですが、それも否定されるようになりました。セックスで男らしさを満たすという考えは、男性を単純にしすぎだし、その相手をする女性がないがしろになっています。

セックスすることが、性欲を持っていることが当たり前じゃないという価値観が、多様性の中のひとつとして認知されたので、セックスしなくてもいい、セックスしたくないという本音を言いやすくなっています。

それは、セックスをしないことで罪悪感を抱かないで済むし、セックスしなきゃいけないという義務感からも解放されているので、良い変化だと歓迎されています。

▶次のページでは、セックスレスへの対処法を紹介します。

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