人を信用できない人の特徴や心理とは。原因は幼少期のトラウマ?
本記事では、人を信用できない人の特徴や原因について、心理カウンセラーの秋カヲリさんが解説。また、人を信用できない性格の改善方法や人を信用できない人への接し方も教えてもらいます。
「信頼こそ才知よりも交際を深める」。
これは、フランスのモラリスト文学者であるラ・ロシュフコーが残した言葉です。人と人間関係を築くうえでは、才能や知恵よりも信頼が重要だという意味になります。
人を信用できないと、悩みごとがあっても誰にも相談できず、ひとりでストレスを抱えやすくなるでしょう。
今回は、なかなか人を信用できずに困っている方に向けて、人を信用できない人の特徴や原因、対処法をご紹介します。
人を信用できない人の特徴と心理
人を信用できない人には、どのような特徴・心理があるのでしょうか。
(1)臆病・心配性である
人を信用できない人のなかには「信頼に対する恐怖」が顕著な臆病タイプがいます。
つまり、信用した相手に裏切られることを恐れるあまり、相手を最初から信用しないようにするということです。
自己防衛心が強いタイプだといえるでしょう。
(2)用心深い
用心深い人は、人を信用するまでのハードルが比較的高いです。
こうした用心深い人には、相手を信用できると判断するまで用心深く観察し、人との関わりで生じるトラブルや葛藤をできるだけ避けようとする逃避傾向が強くみられます。
逆に、人に依存することはほとんどありません。
いわゆる“一匹狼”タイプが多いでしょう。そのため、用心深い性格の持ち主は人を信用できないようです。
(3)自分のことをあまり話さない
人を信用しない人は、自分をさらけ出すこともほとんどありません。
感情的な距離を持って人と接するので、自分のプライベートな話はあまりしないのです。喜怒哀楽の表現も比較的少なめでしょう。
寡黙で冷静なタイプに多くみられる傾向ですが、闘争心が強いタイプにもよくみられます。
他人が自分を攻撃してくるのではないかという不信感を抱いており、危険からわが身を守るために自己開示を控えるのです。
(4)友達が少ない
自分のことを話すことが苦手で、自己開示をしようとしないため他人と深い関係を築くことができない傾向にあります。
いつか相手に裏切られるのではないかと思い、一線を引いた付き合いをするため、友達が少ないのも特徴の1つでしょう。
(5)上下関係を好む
人に対する不信感が強いタイプは、上下関係を好む人が多いです。
というのも「人には表の顔と裏の顔があり、建前と本音を使い分ける二面性を持っている」と考えているので、本音を出さずにつながれる上下関係のほうが楽だと感じるから。
プライベートよりも仕事でのキャラクターのほうが明るかったり、活動的だったりするタイプは、人の二面性に対して不信感を抱いているケースが多いでしょう。
人を信用できない原因
人を信用できなくなるのはなぜなのでしょうか。考えられる原因を以下に紹介します。
(1)幼少期の家族関係が問題になっている
自我心理学において、基本的信頼感 獲得の第一段階は乳児のころだといわれています。
最初に自我が発達する乳児のころに、他者への基本的信頼感が育っていくのです。
具体的には生後1カ月のころに母親との関わり方で形成されるもので、泣いたらおっぱいが与えられたり母親に抱かれたりすることで、他者への基本的な信頼感が形成されていきます。
そのため、親が放任主義の家庭で生まれ育った人は信頼感より不信感が勝ってしまい、他者への信用感が形成されにくい状態にあります。
(2)裏切られた・だまされた経験がトラウマになっている
過去に誰かに裏切られたり、だまされたりした経験がある人は、こうした経験がトラウマとなり、他人が自分の弱みにつけこむのではないかという恐れを強く抱いている傾向があります。
身近に嘘をつく人間がいた場合、このような経験が蓄積されやすいでしょう。
その結果として、やや臆病な性格が形成され、人から裏切られることを極端に恐れるようになるのです。
(3)闘争心が強い
闘争心が強い人は自己評価が高く、他人にも率直に意見を伝えるなどストレートなコミュニケーションを好み、ものごとを人に頼らず自分で判断します。
相手を信用するまでのハードルはかなり高いでしょう。
さらに闘争心の強さから自分を守ろうとする心理もはたらき、不信感を持って他者をみるようになり、観察力が鋭くなります。
その優れた観察力で他人を観察してきたため慎重になり、あまり人を信用できなくなるのです。
▶次のページでは、人を信用できないことで生じるデメリットについて、仕事と恋愛に分けて紹介します。