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「ハイスペック男子」が結婚相手に求める条件

マイナビウーマン編集部

7月某日の19時。高輪台駅から後輩のSとテクテク歩く。熱帯夜で汗が噴き出すけれど、足取りは軽い。

だって、今日は超ハイスペックな男性から恋愛観を聞くっていう公私混同の企画だから。超秀才で有名企業に勤める男性に会えるなんて、プライベートでもめったにない。私は頭のいい男が大好き。クレバーでスマートな男性って、そこにいるだけで色気があふれ出ている。そんな男性と結婚して、庭付きの一戸建てで、理知的で賢い子どもと大きな犬と暮らしたい。

この企画を持ってきたのは後輩S。一心不乱に玉の輿に乗ろうとせっせとがんばっている後輩Sは、仕事でもプライベートでも戦友みたいなもの。そんなSからこんなタレコミがあったのだ。

「I先輩! 港区高輪に『Koru Takanawa Hostel, Cafe&Bar』っていうホステルがあって、そこに併設されてるカフェバーに、夜な夜な超ハイスペックな男性が集まってるらしいんですよ」

行くしかない。これで行かぬなら女が廃る。ぜひ取材させてくださいということで、この企画がスタートした。

「Koru Takanawa Hostel, Cafe&Bar」、東京都港区高輪2-6-7

Koru Takanawa Hostel, Cafe&Bar」は、上品な高級住宅街の中にポツンとあった。出迎えてくれたのは、笑顔がステキなオーナーの南祐貴さん。話を聞けば、南さんは今年のはじめ一念発起で脱サラして、この「Koru Takanawa Hostel, Cafe&Bar」をはじめたらしい。木の温かみを感じる店内と南さんの人柄がリンクしたかのようなホッとできる空間だ。きっとこの人は成功していくのだろう。失礼を承知の上で、さらに事情聴取をしてみると、南さんは東京理科大学を卒業して、大手広告代理店へ就職。何を隠そう、この人がめちゃくちゃハイスペックだったんだ。

南:僕のまわりにいる仲間が自然と仕事の帰りに集まってくるんですよ。「カレー食わせてくれ!」って。ほとんどが独身。大学時代の友だちや、前職の同僚とか。

編集部S(以下S):大学の友人も前職の仲間も絶対ハイスペックってわけだ!

編集部I(以下I):なるほど。ハイスペック男子が脱サラしてはじめたお店に自然とハイスペックな男子が集まってくると!

:そんな広くない店内なので、みんなすぐ仲よくなりますよ。マイナビウーマンの読者の女性陣、ぜひお待ちしております(笑)。

I:いいこと聞きました! 私、プライベートでも絶対行きますね。

S:ねえ、I先輩。あの子見て! 海外ドラマに出てくるみたいな子がいる。

I:!!!!

:あ、ケイシーのことですか? 彼はアメリカと日本のハーフなんです。一橋大学の2年生で、ラグビー部。僕もラグビーをやっていたつながりで、週2回お手伝いに来てくれています。

S:ハイスペックのDNAが毛穴という毛穴から溢れてるんだけど!

I:ハーフで一橋大のラガーマン……。ねえ、絶対モテるでしょう?

:全然モテないです。本当に全然モテません。

S:2回言った。謙遜しなれてますね。

I:今日来る方々はどんな男性なのでしょうか?

:2人とも一流大学出身でピーーという会社で働いてます。ひとりは東大出身。

S:ね? I先輩。本当に来てよかったでしょう?

I:超ハイスペックな男性の恋愛観って聞く機会ないものね。

待つこと10分、タクシーで彼らは現れた。私たちは早足で歩き汗だくになったけど、彼らは涼しい顔で入店。ハイスペックな男の余裕に早速しびれる。「このあとは仕事に戻るんだよ」と、カバンも持たずに現われたAさんは東大出身。もうひとりはやんちゃそうな笑顔がかわいい、おしゃれ系男子Mさん。正直、一見普通の男性だ。Mさんなんて、大学生だよって言われても信じちゃうくらい。パリッとしたスーツで決めて、手首にはロレックスが光るようないかにも! な男性が来ると思ってた。

M:こんなふうに撮影されるなら、もうちょっとおしゃれしたほうがよかったかな?

I:いいえ! ありのままの姿で大丈夫ですよ。

A:僕の時計1,000円なんですけど……。外したほうがいいですか?

か、かわいい……。なんだろう。本当のハイスペック男子って気取らないし、飾らないのかも。脳ある鷹は爪を隠すってやつ。俄然私は、彼らの恋愛観が気になってきた。

I:Aさんはご結婚されてるんですよね? 新婚さんですか?

A:そうですね。1年前に結婚しました。

S:それは残念なお知らせだわ。独身ハイスペック男子がまたこの世からひとり減った……。

M:奥さん本当にいい子だよね。すれてない、ピュアな感じの子。

S:奥さん働いてますか?

A:働いてますよ。看護師です。

I:正直Aさんの収入だけで、十分すぎるくらい暮らしていけるのに働いてるんですね。しかも看護師って大変な仕事じゃないですか。Aさんが働いていてほしいって希望したんですか?

A:妻の場合、結婚したら仕事をやめるって考えがそもそもなさそう。

S:結婚相手として、仕事へのモチベーションの高さは気にしますか?

A:それはある! 仕事をがんばってて楽しんでいる子は素敵なんですよ。仕事で楽しかったことややりがいとかを話してくれるときの女の子は、本当にキラキラが見えるくらい、輝いてる。

I:じゃあ、働くのに疲れたから、仕事をやめて家庭に入りたいっていうのは?

A:まあいいけど、“疲れた”の理由によるかな。何もかもイヤだから何もしたくないっていうのはちょっと考えちゃうかな……。

M:俺の前の彼女それだったんですよ。「もう働きたくないから早く結婚してよ」って言われて。本当に失望した。「俺って君のなんなの?」って思った。

A:「子育てを優先したい」とかの理由ならいいけど、逃げとして仕事をやめるなら、子育てからも逃げちゃいそう。だから、そういう子と家庭を築くのは不安だよね。

I:2人とも正真正銘の高学歴ですが、相手の女の子の学歴とか気になりますか? 高学歴の男性に話を聞いていると、知性レベルは同じがいいっていう人、多いんですよね。

AM:ああ、すごいわかる!

A:でも学歴っていうより、頭のよさ、回転の速さみたいなのが大事なのかも。30歳すぎて余計そう思います。20代のころはとにかく顔がかわいかったらOK、みたいなとこがあったんですけど。

M:顔がよくても知性レベルが合ってないと、一緒にいても楽しくないよね。

A:あと、ちゃんとしたケンカができるかどうかもすごく大切。僕、昔付き合っていた女性がちゃんとしたケンカができない人だったんですよ。感情の触れ幅がすごくて、議論できない。泣き喚くか黙り込むかのどっちか。

S:耳が痛い……。わたしもすぐ泣く。でも泣かないでおこうって思えば思うほど、涙が出ちゃうんですよ。

M:感情のコントロールがきちんとできるっていうのも、頭のよさかもしれない。

A:それでいうと、前の彼女はケンカしたあと、同棲していた家から家財道具すべてを持って出て行ったんですよ。電球まで持っていかれました。

S:それはすごい! 私さすがにそんなことしない!

M:感情論をぶつけてくる女の子は、俺も無理かも。ちゃんと会話をできる人がいい。あと嫌いなものが一緒の人。

A:うん、わかる。僕はこの一件から、ケンカというものに恋愛の相性を見るようになりました。

I:ほう、その心は?

A:ケンカしたとき、「なんで俺らケンカしたんだろうね」って話せる人がいいんですよね。

I:ケンカしたあとに振り返る感じですか?

A:そう。今後こうならないためにどうすればいいかって、一緒に考えられる人がいい。今の妻がそうなんです。「私はこういうことをされるのが嫌で、あなたはこういうことを言われるのが嫌いなんだよね? じゃあお互いそのことを理解したから、これからは同じ理由でケンカにはならないようにしましょう」って。あなたはあなた、私は私。それぞれちがう人間なんだから、完璧にわかり合えることなどない。でも、話し合って解決していけばいいと。

M:ああ、普段おっとりしてるけど、そういうこと言うんだね。しっかりしてる子だわ。

A:妻と一緒に住んでると、すんごいうれしいこと一発ありましたっていうより、ちょっとした幸せが週に2、3回ある。積み重ねられていく幸せっていうのかな。だから本当に結婚してよかった。

ニコニコと話を聞いていた南さんが、めちゃくちゃおいしいビーフシチューを出してくれた。そして、かわいいケイシーくんが作ってくれたお酒を飲みながら、考えてみた。

ハイスペック男性と結婚しても仕事を続ける奥さん。感情的にならず、ケンカのあとに話し合える奥さん。私とSが持ってないものを持っている感じがひしひしと伝わってくる。私もSも結婚したら、彼の人生に自分の人生全部を乗っけて生きていきたい。でもこの目の前にいる甘いマスクのハイスペック男性と奥さんは、お互いが自立した上で一緒に暮らしているような気がする。私とSって、なんでこうやっていつもまちがえるんだろう。ふとSと一緒に行った先日の合コンを思い出してしまった。

I:あの! 聞きたいんですけど、うなぎ屋で合コンして、松竹梅のうな重があった場合、どれを頼むのが正解ですか?

いきなり謎の質問をすごい勢いでされてキョトンとしているハイスペック男子たち。この後、議論はさらに白熱することになる。

(文:マイナビウーマン編集部、撮影:前田立)

※この記事は2018年08月10日に公開されたものです

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