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目が疲れる原因と目の疲れを取る方法

後藤英樹

目の疲れを取る方法

目が疲れると、肩や首にも「こり」として症状が出てしまいがち……だからこそ早めに対処したいですよね。続いて、目の疲れを取る方法について紹介します。後藤先生に教えてもらいました。

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温アイマスク

花王と鶴見大学が共同で行った「VDT作業(※)が目に与える影響と蒸しタオルによる疲労回復」という研究結果から、以下のことがわかっています。

※VDT作業とは、Visual Display Terminalの略。パソコンなどOA機器を使用すること。

(1)VDT作業を行った後は、夕方になって目のピント調節力が低下する「夕方老眼」、週末に向けて目疲れが蓄積し、目のピント調節力が低下する「週末老眼」が起こりやすくなる。

(2)約40℃の蒸しタオルで目を10分間温めることで、目のピント調節力が改善する。

そのため仕事から帰宅した後は、蒸しタオルやホットアイマスクで目元を温め、目疲れを毎日こまめにリセットしましょう。同様に目元を温めることで、ドライアイの症状が改善することも研究の結果わかっています。

目が疲れたとき、清涼感の強い目薬をさしたり、冷却アイマスクを使うと「スッキリして気持ちいい」と感じる人もいるでしょう。しかし、さきほどの研究結果で明らかになったように、冷やすことで目疲れを解消することはできません。むしろ「冷やす」行為は逆効果(※1)となるので注意しましょう。

(※1)後藤英樹(2012)『目の疲れがとれる! Dr.後藤のかんたん「温めストレッチ」』かんき出版

ストレッチ

目が疲れると首や肩に疲れが生じるように、首や肩の凝りを解消すれば「疲れ目」も解消できます。そこで筋肉の緊張をほぐして、目の疲れを解消するストレッチ方法を紹介します。

首のストレッチ

首を前後左右に曲げ、コリコリになった筋肉をストレッチします。ゆっくり、じんわり、3~5回ほど伸ばしたら、次に首を回しましょう。右まわり、左まわりを交互に3~5回ほど行います。

肩のストレッチ

肩まわしは、腕の付け根に両手を軽く乗せ、肘で大きく輪を描くように回します。回し方は両肩同時に行ってもいいですし、片方ずつクロールするように行っても◎。やりやすいやり方で実践しましょう。

肩甲骨のストレッチ

両手を背中で組んで、胸を張り、肩甲骨を寄せるように斜め下に伸ばしていきます。

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このとき顎をそらし、この姿勢を5秒程キープします。これを3~5回ほど行いましょう。猫背の解消にもつながります。

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目のストレッチ

目を酷使した後は、意識的に「まばたき」をすることも大切です。まぶたにギュッと力を入れ、パッと力を抜く「ギューッパッストレッチ」は、涙腺が刺激され目に潤いを与える効果があるとともに、目の周りの筋肉のストレッチにもなります。

<ギューッパッストレッチの方法>
(1)目をギューッと閉じる
(2)目を大きく見開く
(3)(1)~(2)を数回繰り返す

ツボ

目頭のくぼみには「睛明(せいめい)」、こめかみには「太陽」と呼ばれるツボがあります。これ以外にも、眉がしらのくぼみは「攅竹(さんちく)」、目じりの横には「瞳子髎(どうしりょう)」といった、疲れに効くツボがいくつもあります。

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目の周辺だけでなく、首の後ろにある「天柱(てんちゅう)」「風池(ふうち)」「完骨(かんこつ)」なども目の疲れの解消に効果があると言われています。目を閉じて、これらのツボを5~6回押しましょう。これだけで、だいぶ疲れが取れるのを実感できるはずです。

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食べもの

目にいいと言われる栄養素として、ビタミンB6やB12、ルテイン、タウリン、DHAとEPAがあります。これらの栄養を含む食材を、毎日の食事に取り入れるのも疲れ目解消にいいでしょう。

ビタミンB6を含む代表的な食べ物……マグロ赤身、鶏胸肉、牛レバー、カツオ
ビタミンB12を含む代表的な食べ物……しじみ、あさり、牡蠣、牛レバー、筋子、ホタルイカ
ルテインを含む代表的な食べ物……マリーゴールド、ケール、ホウレンソウ、ブロッコリー
タウリンを含む代表的な食べ物……貝類(カキなど)、イカ、タコ、魚の血合い
DHA、EPAを含む代表的な食べ物……サバ、サンマ、イワシなどの青魚

ただし、上記食材を摂取していれば目の健康が維持されるわけではありません。基本的にはバランスのいい食事と適切な運動を心がけ、身体の健康を維持することが、目の健康を維持することにつながります。そのことを念頭に、規則正しい生活をしましょう。

目薬

疲れ目対策には「目薬」も有用です。薬局で選んだり使用する際の注意点について紹介します。

目的をしっかり記載している商品を選ぶ

目のピント調節による疲れには、「ピントフリーズ対策」をうたっている商品を、目の乾きによる疲れには「ドライアイ対策」をうたっている商品を選びましょう。さしたときにスッキリとするだけの目薬には、疲れ目解消効果はあまり期待できないので注意しましょう。

成分をしっかりチェック

目疲れ解消用の目薬を選ぶ際は、「シアノコバラミン」、「メチル硫酸ネオスチグミン」が多く含まれるものを選びましょう。

ドライアイ対策には、眼球の表面に潤いを与えて角膜や結膜を保湿する「ヒアルロン酸」と「コンドロイチン硫酸ナトリウム」が入ったものを選びましょう。

また、防腐剤が入っていると目の細胞を傷つける可能性もあるため、防腐剤が入っていないタイプの目薬が望ましいです。

目薬のさしすぎは症状を悪化させる

眼科で処方される目薬の用法は、一般的に「1日4回」となっています。目疲れやドライアイは夕方からきつくなるため、朝・昼・夕方・夜の4回ではなく、目が疲れてくる午後~寝るまでの間で4回差すようにしましょう。間隔としては2時間ずつあけるといいでしょう。仕事中なら、目が楽な午前中にはあえてさす必要がなく、午後は1時間おきにさすのがいいかもしれません。

市販されている目薬の成分は薄いですが、「使用上の注意」をよく読んで、用法や用量をきちんと守りましょう。

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