ストレス? ダイエット? 生理が止まる原因と対処法

何カ月も生理が来ない……。女性なら誰しもが気になる症状ですが、その原因とは? また、生理の来ない状態が身体へどんな影響をもたらすのかも気になる部分ですよね。そこで今回は、産婦人科医の尾西芳子先生に「生理が止まる原因と対処法」について、解説してもらいました。

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生理が止まるとどうなるの?

そもそも生理が止まると身体へはどんな影響があるのでしょうか。生理が数カ月来ないにも関わらず、放置してしまっている状態が好ましいとは言えないはずです。まずは、「無月経」とそのリスクについて、教えてもらいました。

医学的にはこれまであった月経が「3カ月以上ない場合」を“(続発性)無月経”といいます。

生理が1カ月に1回あるのは、排卵を1カ月に1度きちんとしているから。排卵した後に出てくるホルモンによって、子宮の内膜は分厚くなります。それが妊娠しなかったために不要となり、経血としてでてくるのが「生理」なのです。

この排卵が止まってしまうと、生理はいつ来ていいかわからず、2週間で来る頻発月経になったり、2~3カ月空いてしまう無月経状態になったりするのです。排卵がうまくいっていないということは「妊娠できるチャンスが少なくなってしまう」というリスクをはらんでいます。

生理が止まる原因とは

突然生理が止まってしまったら……。正直慌ててしまいますよね。では、数カ月生理が止まってしまう原因には、どんなことが考えられるのでしょうか。いくつかのパターンに分けて、解説をしてもらいました。

(1)妊娠によるもの

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「生理がありません」という理由で産婦人科を受診して、はじめて妊娠していると知り驚く方も多いです。どこかに心当たりがあり、これまであった生理がない場合は、まずは薬局で買える妊娠検査薬を使ってみてください。

(2)ストレスが原因

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ストレスを受けると、女性は子孫を残すより自分の身体を守らないといけないという危機を感じ、排卵が止まってしまいます。それによって生理も止まってしまうのです。

(3)ダイエットや過度の運動が原因

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ダイエットをする場合は「1カ月にマイナス1kg」くらいのペースで体重減をめざしましょう。1か月に3kg以上痩せると、生理が止まってしまうことがあります。また痩せることはなくても、マラソンなどのエネルギーを過剰に使うスポーツにより排卵が止まってしまい、ひいては生理が止まってしまうことも考えられます。

逆に太りすぎも生理が止まる原因になるので、適正体重を守ることが大切です。

(4)病気が原因

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甲状腺ホルモンや、プロラクチンという下垂体ホルモンが出すぎる病気などにより、生理が止まることがあります。後述しますが、特定の症状が見られる場合は、医療機関を受診しましょう。

番外編 想像妊娠で生理が止まることはあるの?

医学的には想像妊娠というものはありません。とはいえ、不妊に悩んでいる方などで、そのストレスから排卵や生理が止まってしまい、妊娠したと勘違いされるケースが見られます。逆にそういう方は不妊治療をやめた途端、自然に妊娠したということもよくあります。

生理が止まったときの対処法

では、もしも生理が止まってしまったら、具体的にどのような対処をすればいいの? 病院へ行くべきかの判断ポイントや、日々の生活でできる予防策を教えてもらいました。

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病院へ行くべきかどうかの判断ポイントは?

2カ月以上生理が止まっている場合は、病院へ行きましょう。ただ、心当たりのある方はその前にまずは妊娠検査薬を。

その他、乳汁が出る、心臓がどきどきするなどの症状がある場合は甲状腺や下垂体のホルモン異常の可能性があるので早めに受診してください。

生理が止まるのを防ぐ生活習慣って?

生活習慣で気をつけられることは、以下の2つです。日々の生活の中で、ぜひ心がけてみてくださいね。

(1)ストレスマネージメントをする

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誰でも生きていればストレスはあると思いますが、趣味や息抜きでうまくストレスマネージメントをしてみましょう。また、仕事中に時々大きく伸びをして深呼吸をしたり、一日の終わりはゆっくりお風呂につかったりするのも◎。自然とストレスは減っていきますよ。

(2)急激なダイエットはしない

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急激なダイエットは体にとってストレス。ダイエットをするのであれば、きちんと栄養を取りつつ「1カ月にマイナス1kgのペース」を意識してくださいね。

まとめ

無月経の状態を放置しておくと、妊娠の可能性に悪影響をもたらすことも。女性として、身体の状態はしっかりコントロールしておきたいですよね。「生理が止まってしまった」と判断するには、まずは自身の生理周期を把握しておくことが重要。その上で、尾西先生が紹介した判断ポイントに当てはまる場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

(文:尾西芳子、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年06月27日に公開されたものです

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