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【漢方座談会】痛みを我慢しないで! 「生理痛」の原因と対処法

伊藤康江

鎮痛剤を飲む派!? 我慢する派!? みんなの生理痛対策とは

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由華さん とりあえず鎮痛剤が手放せません!

春菜さん 私はここ2、3年くらい、痛みが緩和してきて、初日の6~9時間くらいが痛いだけなので、耐えられないときだけ鎮痛剤を飲んでいます。とはいえ、高校生から20代前半くらい、特に18~20歳のころが最悪で、痛くなるのが嫌で生理前から鎮痛剤を飲みはじめ、1回の月経時に1箱飲み切っちゃうこともありました。でも長く鎮痛剤を使っていると効かなくなる気がして、試験など大事な日と月経が重なりそうなときはピルも服用していました。

由華さん 私も高校生のとき、ピルを飲んでいました。生理痛は軽くなったのですが、すごくむくんだ記憶があります。

久美子さん 私は薬自体が嫌いなので、何も飲まない派です。数日経てば、この痛みから解放されるとわかっているので、ひたすら我慢。「痛いのは仕方ない」とあきらめて、耐えしのんでいます(笑)。

%e6%98%a5%e8%8f%9c%e3%81%95%e3%82%93春菜さん 1年くらい前から医師に漢方薬を処方してもらっているのですが、症状が軽くなった気がします。血流をよくするために、よもぎ蒸しパッドをしたり、湯たんぽを入れて寝たり、生理中は夏でもおなかにカイロを貼ったりして下半身をあたためています。

由華さん あたためると症状が緩和するので、カイロやひざ掛けは欠かせませんよね。

久美子さん 私はカイロも貼らないです。カイロもケミカルな感じがして……できるだけ自然でいたいなと。体づくりで痛みが緩和できたらと思って、半年前くらいからホットヨガに通っています。冷え性が改善されたのか、生理痛も軽くなった気がします。寝るときはヨガパンツとパジャマを重ね履き+モコモコソックスで、下半身が冷えないように。

春菜さん 5本指ソックスもオススメですよ。普段の日もタイツに重ねて履いています。あとは豆乳やハーブティーを飲むように。レモングラスやルイボスローズなどのハーブティーに、はちみつを入れて飲んでいます。

久美子さん 私は毎日、大豆由来のプロテインとマルチビタミンのサプリを摂取しています。プロテインといってもチョコレート味とかあるので、おやつ代わりにもぴったり。

由華さん 私は白湯を飲んでいます。なるべく常温以上のものを飲むように心がけています。生理中はカフェインも控えめに。

久美子さん お酒も飲まないように気をつけています。

由華さん 生理中にビールを飲むと冷えるしむくむし、飲んだことを後悔しますよね。

★方法はさまざま! 「生理痛」の正しい対処法

丸山綾先生・一番簡単なセルフケアは体をあたためること!

セルフケアとしてすぐできることは、体を冷やさないこと。漢方医学では月経痛は「瘀血(おけつ)=血の巡りが悪い」と考えるため、おなかや腰などの骨盤まわりをあたため、血液の循環をよくすることが重要になります。

アルコールの摂取については、冷たいビールなどは体を冷やし血のめぐりを悪化させ、痛みを増強してしまうので控えたほうがいいでしょう。ホットワインや熱かん、常温で飲むお酒などは、NGということはありません。ビールに限らず、月経痛を感じやすい人は、特に月経前後は冷たい飲み物を控えるようにしましょう。

・鎮痛剤やピル、漢方薬を上手に使って痛みは我慢しないこと

治療法ですが、西洋医学では、子宮を収縮させる働きがあるプロスタグランジンの分泌を抑える、いわゆる消炎鎮痛剤を使って痛みを緩和させます。プロスタグランジンが多く分泌される前に服用することが効果的なので、痛みをあまり我慢せず、痛くなる前に早めに服用するのがポイントです。そうすることで結果的に鎮痛剤の服用量が少なくて済みます。また低用量ピルを服用する方法もあります。ピルを服用すると子宮内膜が厚くならないためプロスタグランジンの分泌が減り、また経血量も減るので、結果的に生理痛が軽減されます。ピルの副作用としては、ごく稀に血栓症の発症があります。エコノミークラス症候群で知られているように、血管の中に血の塊ができてしまう病気です。喫煙者や40歳以上の方などは注意が必要になりますが、該当しない場合はむやみに怖がる必要はありません。吐き気や不正出血などのいわゆるマイナートラブルは、あっても1~2カ月でなくなることが多いので、月経痛のある方でしばらく妊娠の予定がない方は一度試してみるとよいと思います。

漢方医学では「瘀血(おけつ)」を改善して血の流れをよくするための「駆瘀血剤(くおけつざい)」を使います。主な漢方薬に「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。そのほか、鈍痛ではなく子宮が収縮するキューッとした痛みには、筋肉の緊張を和らげて痛みを抑える「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を処方することがあります。こちらはこむらがえりなどにも使う薬で、即効性が期待できる漢方薬です。

西洋薬と漢方薬のどちらかを選ぶのではなく、体質改善のために漢方薬を服用しながら、痛みが出たときだけ西洋薬の鎮痛剤を服用する、ということも可能です。飲み方にコツがあるので、初めは必ず医師に相談するようにしましょう。

(取材協力:丸山綾、文:伊藤康江、撮影:masaco)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年03月31日に公開されたものです

伊藤康江

出版社勤務を経て独立。現在はフリーランスの編集・ライターとして女性誌や書籍、ムック本を中心に活動中。

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