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【妊娠出産のウソ&ホント】精子と卵子には相性があるってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

「男性側にも女性側にも特に問題がなく、排卵のタイミングに合わせてセックスをしているのに、なかなか妊娠しない」という話もときどき耳にします。そういう場合は、精子と卵子の相性が悪いのでしょうか? そして、そもそも精子と卵子に相性はあるのでしょうか? 今回はそんな精子と卵子の相性にまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。

本日の「ソボクな疑問」

Q.精子と卵子に相性があるってホント?

istock-482349970<読者の声>

・排卵などのタイミングによるので、精子と卵子の相性は関係ないと思う。(33歳/食品・飲料/事務系専門職)
・相性が悪い場合にはどうしたらいいのか知りたい。(25歳/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)
・人間の神秘なので、あると思う。(27歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・どちらも健康な状態なら、特に相性というのはなさそうな気がする。(25歳/食品・飲料/専門職)

尾西先生のアンサーは!?

ウソ答えは……
ウソです!

たしかに、男女ともに検査をしても問題が見つからず、排卵のタイミングを合わせても妊娠しないという夫婦は一定数いますし、不妊の世界で原因がわかるのは約半分ともいわれているほどですから、コメントにあるとおり「人間の神秘」に感じるでしょう。しかし、精子と卵子自体に“相性”というのはないと考えられています。

みなさんが“相性”だと勘違いされている原因のひとつに、精子が子宮の中に入る前に動けなくさせてしまう「抗精子抗体」があります。この抗体をおりものや血液などの体液中に有していると、どんな男性ともなかなか自然妊娠は難しくなります。

この抗体は、不妊に悩む女性の約3%が有しているといわれていますので、不妊治療では、セックスをしたあとのおりものを検査して、精子がきちんと運動性を持っているかどうかのチェックをします。その結果、もし抗精子抗体を持っていることが判明すれば、卵子に直接精子を受精させる体外受精や顕微授精などを選択することになります。

ちなみに、抗精子抗体を持っている=不健康ではないですし、普段はなんら変わりないので、自分が抗精子抗体を持っているかどうかは検査をしない限りわかりません。ですから、たとえば「結婚して1年以上経っているのに妊娠しない」「排卵のタイミングを合わせてセックスしているが、半年経っても妊娠しない」などあれば、産婦人科に一度検査をしに行くことをオススメします。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2017年02月25日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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