デリケートゾーンの「気になるニオイ」を解消! 医師が教える原因&対処法
女性なら、デリケートゾーンの悩みを抱えている人は多いですよね。自分のニオイにギョッとして、「これは異常かも……」なんて、深刻にとらえてしまう人もいるのではないでしょうか。親や友だちに相談しづらく、人と比べることができないので、悩みは深刻ですよね。そこで今回は、産婦人科医の髙橋怜奈先生に「デリケートゾーンの気になるニオイ」について、お話を聞いてきました。ニオイの原因や対策方法をくわしくご紹介します。
ニオイの原因
デリケートゾーンのニオイが気になる原因は主に4つ。①尿の拭き残し②蒸れによる汗③細菌性腟症④性病・婦人科系の病気が挙げられます。①②は、デリケートゾーンの洗い方などに気をつければ、かんたんにニオイは軽減します。しかし、③④は、ニオイの分類がちがうので、くわしくは次をチェックしてみてください。
<細菌性腟症>
細菌性腟症とは、腟内の常在菌以外の菌が異常増殖してしまっている状態です。これにより、「腐った魚」と表現されるニオイを放つことも。尿の拭き残しや汗とちがって腟内の菌が正常な状態にならないと、ニオイはなくなりません。婦人科での診断を受けたら、腟洗浄と抗菌薬の腟内への挿入が治療です。ただ、細菌性腟症は、腟の風邪のようなものなので、健康的な生活を送れば自然と治ることもあります。しかし、なかなか治らない場合や、悪化が気になる人は、婦人科で一度検査をしてもらいましょう。
<性病・婦人科系の病気>
性病や婦人科系の病気も、治療をして治さない限り、ニオイはなくなりません。一般的な性病であるクラミジアや淋病は、意外とニオイが気にならないケースが多いので要注意。ニオイが気になる性病としては、トリコモナスの可能性があります。また、性病検査だけで満足してしまい、婦人科系の検査をしない人が多いですが、実は子宮や卵巣に異常があることも。1年に1回は、子宮頸がんの検査や超音波の検査をすることが大事です。
ニオイの改善方法
細菌性腟症や子宮・卵巣の病気の場合は、根本的な治療をしなければならないですが、尿の拭き残しや蒸れによる汗のニオイは、ちょっとした工夫で改善することができます。
<尿の拭き残し・汗の対策>
ウォシュレットはニオイの軽減につながるので、抵抗のない人は積極的に取り入れましょう。ただ、抵抗がある人は、デリケートゾーン用のウェットシートでサッと拭くだけでもOKです。お風呂に入れないときなどに大活躍するので、ひとつ持ち歩くだけで安心。また、アンダーヘアに尿が残ってしまうケースが多いので、気になる人は脱毛するのもオススメです。
<下着・ナプキンの選び方>
下着は、吸水性のある綿100%が理想ですが、おりものシートでも十分対応できます。おりものシートやナプキンは、こまめに交換することが大切。タンポンは菌が繁殖して、腟炎の原因にもなるので、なるべく控えましょう。どうしても長時間トイレに行けない人や、絶対に失敗できない場合は、時間を守って一時的な使用にとどめるなどしてください。
<デリケートゾーンの洗い方>
目と同じく、粘膜でできている外陰部にとって、通常の石けんだと刺激が強いので、シャワーでていねいに洗うだけで十分です。また、シャワーだけだとニオイが気になるという人は、デリケートゾーン専用の石けんを泡立て、やさしく洗ってください。
乳酸桿菌を中心とした細菌で守られている腟内は、“腟の自浄作用“と言われており、pHを酸性に保ち、悪い菌の増殖や感染を防いでくれています。なので、デリケートゾーン専用の石けんは、腟のpHのバランスを調整し、刺激を少なくすることで、腟の自浄作用を保ちながら、さっぱり洗うことができます。ニオイが気になるからといって、ふつうの石けんで洗いすぎたり、自分で腟洗浄などをしすぎると、体にとっていい菌である乳酸桿菌まで洗い流してしまい、そのほかの雑菌が入ってきやすくなってしまいます。
まとめ
デリケートゾーンのニオイは、尿の拭き残しや蒸れによる汗、細菌性腟症などが主な原因。清潔に保つように心がけることで、かなり改善されるようです。ただ、どうしても気になる人や、年に1度婦人科検診を受けていない人は、産婦人科に足を運んでみてください。産婦人科を訪れる人の中に、生理中に使用していたタンポンを抜くのを忘れて悪臭を放っていた、ということも少なくないようなので、一度確認してから行きましょう。
(取材協力:髙橋怜奈、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年12月27日に公開されたものです