お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

人はなぜイライラするの!? 精神科医が教える「上司や新入社員にイライラしないためのメソッド」

和田秀樹

人事異動や新入社員の入社など、職場環境がガラッと変わる4月。心機一転、気持ちを新たにして仕事をスタートできる一方で、人間関係に対する不安やイライラといったストレスを抱えることの多い時期でもありますよね。そんな中、精神科医の和田秀樹先生による、イライラを消して気分よく生きるための方法をまとめた著書『「もう怒らない」ための本』(アスコム)が発売。今回は、精神科医として多岐の分野にわたって活躍する著者の和田先生に「職場で上司や新入社員にイライラしないためのメソッド」を教えてもらいました。

人はなぜ怒る? 現代人の多くがイライラを抱えている理由

『「もう怒らない」ための本』(アスコム)

精神分析の理論から言うと、“自己愛が満たされていない”とき、人間は怒りを感じやすいとされます。自己愛が満たされている状態の例は、恋人がいて精神的に愛されていると実感できるときや、一緒にいるだけで強くなった気分にさせてくれる“親分”のような存在が近くにいるときなど。また、双子のように自分と腹を割って話せる相手がいるときも、同様に自己愛が満たされるでしょう。

そんな中、現代のような格差社会では、「勝ち組」と「負け組」がはっきり分かれており、ほとんどの人が「負け組」に分類されてしまう。「負け組」と呼ばれてしまう人たちは、極めて自己愛が満たされにくい傾向にあります。せめて恋愛だけでも満たされればいいのですが、現代では生涯未婚率も上昇している状況ですよね。したがって、多くの人たちは「自分が愛されていない」と強く感じています。また、LINEやFacebookで繋がっている人は多くても、腹を割って話せる人がいないのも現代の特徴。これらのことを踏まえると、現代人の中でイライラは蔓延していると言えるでしょう。

イライラしていると、仕事に支障が出てしまうし、不機嫌そうにしている女性には男性も近寄りがたい。心理学の視点から見ても、イライラしているときはミスをしやすく、よき判断ができないと言われています。そういう意味でも、イライラしている女性は損ですよね。ただ、僕自身、「怒ってはいけない」「イライラの感情を押し殺さないといけない」とは思っていません。怒りの感情を無理やり押さえつけてしまえば体調不良などに繋がってしまいますから。怒りを行動化せず、その感情に振りまわされないようにすることが重要なのです。

イライラしやすい人の6つのチェックポイント

(1)何かあると、「自分の悪口を言われているのではないか」と思ってしまう。

(2)つい、「どうせ自分なんか……」と思ってしまう。

(3)物ごとの白黒をはっきりさせないと気が済まない。

(4)「○○は、こうでなければならない」と、“かくあるべし思考”で考えてしまう。

(5)物ごとをすぐ決めつけて考えてしまう。

(6)自分に対しても他人に対しても完璧主義である。

※解説

(1)のタイプの人は、自分に自信がないからこそ被害者意識を持ちやすい傾向にあります。また、(2)のタイプの人は努力しても無駄だと思ったり、成功者の話を絵空事のように感じたりするのが特徴です。どちらのタイプも自己愛が満たされていない人に多く見られる考え方のため、これらの人々はイライラしやすいと言えるでしょう。

(3)のタイプの人は、グレーな状態が許せないため、友だちだと思っていた人が少しでも自分の批判をしていたら許せなくなってしまう。周囲の人間を敵か味方かではっきり分けてしまうため、中間の立場の人間がいることに気づいていないことが多いです。(4)のタイプの人も(3)と似ていますが、「私は三高の人としか結婚しない!」などの“かくあるべし思考”を持っていると、そこから外れている人のことを許せなくなってしまう。また、その“かくあるべし思考”から外れている自分も許せないからこそ、鬱にもなりやすいので要注意です。(5)のタイプの人も上記2つととても類似していて、イライラしやすい。一度「こうだ!」と決めつけてしまうと、それに反する人の言葉にはなんでも腹が立ってしまうとかね。

(6)のタイプの人は、女性には少ないかもしれませんが、「100点でなければ意味がない」と思ってしまう人。物ごとが完璧でなければ、イライラしてしまいます。

【続きを読む】こんなときどうする!? 精神科医が教えるシーン別イライラ解消法

次のページを読む

SHARE