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人はなぜイライラするの!? 精神科医が教える「上司や新入社員にイライラしないためのメソッド」

和田秀樹

精神科医が教える! シーン別・イライラ解消法

イライラしやすい人の特徴がわかったところで、上司や新入社員にイライラしてしまったときの対処法について、和田先生にくわしく解説してもらいました。

<上司編>

お悩み1:部下の声に耳を傾けてくれず、仕事のやり方を押しつけてくる上司にストレスがたまる。

このタイプの上司には、私の著書で紹介している“理不尽に怒る上司は「この人、出世しない」と見限ればいい”というメソッドを試してみてはいかがでしょうか? 心の中で、こっそり相手のことを「バカだな」程度に思っていればいいのです。そのほうが、自分自身の自己愛は満たされますから。白か黒かではないグレーの部分を判断する能力である「認知的成熟度」という重要な言葉があります。はっきり言ってこのタイプの上司は、「認知的成熟度」が低いと考えていいでしょう。そう理解していれば、この憎たらしい上司に対するイライラもおさまるのではないでしょうか?

 

お悩み2:自慢話や苦労話を延々と語ってくる上司がムカつく!

自分自身の自己愛が満たされていなければ、聞き役になることは難しいでしょう。したがって、あなたの聞き役になってくれる相手を探してみてはどうでしょうか? 「あの部長が何百回も同じ自慢話をしてくるのよ!」と愚痴を言える相手がいれば、話を聞く際の心持ちもだいぶ変わってきます。きっとその上司も家で奥さんに話を聞いてもらえないなど、自己愛が満たされていないのでしょう。話を聞いていてイライラしてしまうのは、自分自身に心理的余裕がないことの表れでもあります。余裕を持って相手に接することができれば、周囲からの好感度もアップするはずですよ。

<新入社員編>

お悩み3:メモを取らず、バカにした態度で話を聞く新入社員に怒り爆発!

自分に対して舐めた態度を取る相手には、お悩み1の対処法と同様に「こんなことをしていて失敗しても知らないぞ!」と心の中でバカにしてしまうのがいいでしょう。とはいえ、新入社員を突き放してしまうと、ミスの尻拭いや責任は先輩である自分に降りかかってしまうもの。その場合は、「可哀相だから教えてあげるか」と、同情をはさんでから仕事を教えるなど、自分が優位に立てる心理状態で接することがカギですよ。

お悩み4:打たれ弱い新入社員を怒りにくくて、こっちがイライラしてしまう。

私の著書の中で、“攻撃的な人には「反論」ではなく「相談」する”というイライラ解消のメソッドを紹介しているのですが、部下に対しても、注意するのではなく、相談するように仕事を頼むといいかもしれません。ある程度こちらが下手に出る態度で相手の自己愛を満たしつつ、「私も昔は○○ができなかったけれど、こういうやり方があったよ」と伝えてあげるとかね。このタイプの新入社員に対しては、「こんなこともなんでできないの!」という風に“怒り”という形で物ごとを伝えないことが大切です。

まとめ

ついイライラしてしまうことは、人間誰にでもあること。ただ、その感情をどう解消して、行動に移していくのかが重要なポイントのようです。4月に入り、新しい環境でまわりの上司や新入社員に不満を抱えているあなた! 和田先生がオススメするイライラ解消メソッドで、ストレスをためない人間関係を築いていってくださいね。

(取材協力:和田秀樹、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年04月11日に公開されたものです

和田秀樹

精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、「和田秀樹こころと体のクリニック」院長を務める。主な著書に『感情的にならない本』『自分は自分 人は人』(以上神講社)、『心と向き合う 臨床心理学』(朝日新聞出版)、『人は「感情」から老化する』(祥伝社)など。

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