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下痢止めは服用していいときとダメなときがある!? 慢性的な下痢の種類と対処法

下痢止めを飲んでもいいとき・ダメなとき

食事中にこの記事を読んだ方がいたらすみません。でも、大切なお腹の話。冷えや緊張を感じたときに、急にお腹がゴロゴロ……となってしまった経験、ある方も多いのではないでしょうか。たまにであればそれほど心配する必要もありませんが、日常的に下痢や軟便の状況が続くのはちょっと気になるところ。原因を探ってみた方が良いかもしれません。下痢の症状について、霞が関診療所の丸山綾先生に聞いてみました。

「『下痢』と言ってもいろいろなタイプと対処法があります。通勤電車などトイレに行けない場所での急な腹痛の場合、速効性のある下痢止めを使ったことのある人もいると思います。すぐに効くので便利ですが、慢性的な下痢の場合、その症状を根本から治す目的のものではないので注意しましょう」(丸山先生)

また、風邪などの感染症の下痢や、食中毒による下痢の場合は下痢止めを飲むのはNG。下痢止めは胃腸の動きを止める作用があるため、本来なら早く排出しなければならない病原菌を腸の中にとどめてしまいます。

下痢の症状と対処法

それでは、慢性的な下痢の症状がある場合、どのような対処法があるのでしょう。

「基本的には消化の良くない食べ物を避けるようにしましょう。体にいいという理由で玄米や雑穀米を好む人も多いと思いますが、胃腸が弱い人の場合は負担になっていることがあります。また、冷たい飲み物も避けましょう。もともと胃腸が弱く、虚弱体質で慢性的な下痢がある人の場合、冷えで胃腸の機能が弱まるので普段から体を温めることが大事です」(丸山先生)

症状別・下痢に効果的な漢方薬

漢方薬の中には、下痢に処方するものもあるそうです。

「虚証(体力がなく、もともと胃腸が弱いタイプ)で下痢の症状を持つ人に処方する漢方薬は、真武湯(しんぶとう)があります。これは、体を温めて余分な水を体内から除去する作用のある漢方薬です。新陳代謝を良くすることで、体内の余分な水を排出させるほか、胃腸の働きを良くする生薬も含まれています。

また、ストレス性の下痢がある人には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を処方することもあります。こちらも体を温めて体内の水分を排出させますが、さらに筋肉の緊張を取る作用があります」(丸山先生)

もともと体が丈夫なタイプ(実証)の人が下痢になってしまった場合は「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「五苓散(ごれいさん)」などの漢方薬があるのだそう。ただし、虚証の人が実証に用いる漢方薬を服用してしまうと、体質に合わずに体調が悪化してしまうことがあるので注意しましょう。

「若い女性の中には、慢性的な下痢の症状があっても『体重が増えないからちょうどいい』という理由で気にしない人もいます。でも、下痢のほかに疲れやすくなったり、めまいがしたり、また排便の乱れは自律神経のバランスが乱れている可能性も考えられます。大したことではないと放置せず、改善のための方法を探しましょう」(丸山先生)

体の中心にあるお腹。お腹に力が入らないと、なんだか全身に力が入らないような気がしちゃいますよね。ちょっとした不調をそのままにせず、早めの対処を心掛けましょう。

(取材協力:丸山綾、文:マイナビウーマン編集部)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年04月06日に公開されたものです

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