寝ても寝足りない睡眠障害「過眠症」!? 漢方薬で対処しよう
S美「ないです。無理に食べてもおいしく感じないし。あと、風邪をひきやすくなったし、前より治りにくくなりました」
丸山先生「最近日常の変化はありましたか? 仕事が忙しかったとか」
S美「そういえば、ここ数カ月忙しかったですね。でも、どこか痛いとか高熱が出るというわけではなかったので病院へは行っていないです」
丸山先生「ふむふむ……」
S美さんの体質や症状をまとめると……
・夜きちんと寝ていても、昼間眠くなってしまう
・もともと生理前などにだるくなるが、最近は生理周期と関係なくだるい
・食欲もなく、食べてもおいしくない
・風邪をひきやすく、ひくと治りづらい
・少し熱っぽくてすぐ汗をかくが、体調がすごく悪いという感じでもない
・最近仕事が忙しかった
丸山先生「S美さんには補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を処方します。しばらくの間、1日に3回服用してください」
S美「どんな漢方薬なんですか?」
丸山先生「補中益気湯は、『気虚(ききょ)』に用いる漢方薬です。気虚とは、ひとことで言うとエネルギー不足。慢性的に疲れが溜まっているような状況です」
S美「エネルギー不足。確かにそうですね」
丸山先生「食欲がなくなっている状態なので、胃腸を整えることが大事です。補中益気湯は気を補うほか、消化機能の衰えにも効果があります」
丸山先生の初心者講座
補中益気湯は気を補う「補気剤」の代表薬です。補気剤には、ほかに「四君子湯」「六君子湯」などがあります。
S美「わかりました。早く元気が戻るといいな……」